気軽に岩室温泉を楽しむなら 「よりなれ」

 新潟市西蒲区にある岩室温泉。素朴な温泉街が魅力です。この岩室温泉を気軽に楽しむには、日帰り温泉施設の「よりなれ」が便利です。
 新潟市の公共日帰り温泉で、正式には「新潟市岩室健康増進センター」といいます。公共施設ということで、低料金で利用できるのが魅力です。
 1970年に岩室村の老人憩いの家「静閑荘」として開業し、1995年に浴室部分が「遊雁の湯 よりなれ」として日帰り温泉の営業を開始し、その当時からのファンです。近隣に日帰り温泉が増えてからは利用頻度が減りましたが、ときどき利用させていただいております。
 ということで、9月下旬の夕暮れ時に行ってきました。前回利用したのが6月でしたので、3か月ぶりでした。
 岩室温泉街から「だいろの湯」方面に進み、病院の手前を看板に従って右折して、クネクネ坂道を上って行きますと、坂の途中に「よりなれ」があります。

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 駐車場に車をとめて玄関へ。

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 玄関を入って靴を脱ぎ、鍵付き下足箱に靴を入れ、鍵とともに受付します。
 入館料は、タオルセット付で、大人500円、小人300円、市内65歳以上300円と格安です。11枚で5000円(65歳以上3000円)の回数券もあります
 公共施設だけあって、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を持っている人は、利用料金が免除され、重度障害者の介助者も1人につき1人が免除になります。

 ロッカーキーとタオルセットを受け取って、玄関のすぐ前の浴室に行きます。
 右の浴室は檜造りの「木風呂」、左の浴室は大理石風造りの「岩風呂」となっていて、浴槽の形や大きさ、配置が異なります。浴室が面する方角も異なりますので、印象はかなり違います。左の浴室が若干広く、洗い場の数が右の浴室が5か所に対して、左の浴室は7か所あります。
 コロナ禍前は、左右の浴室が男女交互に使用されていましたが、現在は右が女湯、左が男湯に固定されています。

 脱衣場に入りますと、右にスチール製の脱衣ロッカーが並び、左に洗面台があり、無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、正面に大浴槽が2つ並び、外側はガラス張りになっていますので、狭い浴室ながらも開放感があり、外の露天風呂が見渡せます。
 大浴槽は、右が大きめですが、左は幅が狭くて、細長くなっています。浴槽の湯は、市水の沸かし湯で、温泉ではありません。

 洗い場は、仕切りなしで、手前の壁際に7か所並んでおり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。

 外には、岩造りの露天風呂があり、白濁した湯が満ちています。3~4人で窮屈になるような大きさですので、混み合いますとリラックスできません。
 注湯口からは加熱源泉が注がれ、浴槽の縁からオーバーフローがありました。湯温は42℃程度でしたが、注湯口横は熱めで、良く温まりました。
 加水された湯ではありますが、自己責任でなめますと、塩味がして、温泉としての魅力は十分に感じられました。しかし、岩室温泉が売り出している「黒湯」としての味わいはありません。
 
 タイミング良く、内湯も露天風呂も独占入浴できました。露天風呂に浸かりながら、湯と語り合い、頭がボーっとしてきたところで、次の客が来られましたので、浴槽を出ました。

 脱衣場には、前回は温泉の分析書の掲示がなくて、どうしたのかと不思議に思っていましたが、今回は、どういう訳か温泉の分析書が2種類掲示してありました。
 以前は、平成26年3月付の3号源泉の分析書が掲示されていましたが、今回は令和4年6月付の3号源泉の分析書と、令和5年7月付の4号源泉の分析書が掲示されていましたので、両方とも紹介させていただきます。

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 まず、令和4年6月14日付の分析書によりますと、源泉名は、岩室3号源泉。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(高張性弱アルカリ性温泉)、源泉温度 40.8℃(気温24℃)、使用位置 42℃、PH 7.9 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 2744、K 41.2、NH4 14.8、Mg 12.7、Ca 1253、Sr 11.2、Ba 3.8、Al 0.0、Mn 1.4、Fe(II) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.9、Cl 6949、Br 24.0、I 3.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 2.8、HSO4 0.0、S2O3 4.6、SO4 4.5、BO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 0.0、HCO3 52.5、CO3 0.0、メタケイ酸 45.9、メタホウ酸 57.8、遊離CO2 1.4、遊離H2S 0.5 など、ガス性除く成分総計は11228mg/kgです。
 井戸元で源泉供給の不足を補うため加水、施設で温度調整のため加水、入浴に適した温度度を保つため加温、衛生管理のため循環装置のみ使用、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施、入浴剤の使用なし とのことです。


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 続いて、令和5年7月27日付の分析書によりますと、源泉名は、岩室4号源泉。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(高張性 弱アルカリ性 高温泉)、源泉温度 54.3℃(気温32℃)、使用位置 42℃、PH 8.28 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.5、Na 3035、K 37.8、NH4 3.8、Mg 7.7、Ca 1015、Sr 10.5、Ba 2.5、Mn 0.3、Fe(II) 0.2、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.6、Cl 6391、Br 21.7、I 2.3、OH 0.0、HS 45.4、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 36.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 0.0、HCO3 136.0、CO3 1.8、メタケイ酸 44.5、メタホウ酸 58.9、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 2.6、遊離H2S 5.8 など、ガス性除く成分総計は10880mg/kgです。
 入浴に適した温度度を保つため加水、入浴に適した温度を保つため加温、衛生管理のため循環装置のみ使用、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施、入浴剤の使用なし とのことです。

 この岩室3号源泉と4号源泉が、実際に浴槽内でどのように使用されているのかは不明です。いずれにしましても、源泉は加水・加温・循環されていますが、ろ過装置は使用していないとのことです。

 湯上りに、2階に上がって、喉を潤しました。

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 45畳の大広間、その前のリラックスルームは、ともに無人で、貸し切りでした。

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 しばし休息し、クールダウンしました。

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 設備的には劣り、温泉利用も露天風呂だけですが、タオルセット付で大人500円、小人300円、市内65歳以上300円というのは格安であり、気軽に岩室温泉を楽しむなら便利な施設だと思います。