隠れた名湯、掛け流し 長岡温泉「湯元館」

 長岡市は、信濃川を挟んで東西に魅力ある温泉が点在しています。どこに行くか悩ましいのですが、今回は久し振りに、東部にある長岡温泉「湯元館」に行ってきました。前回行ったのは2019年6月でしたので、5年以上もご無沙汰していました。

 長岡市内の某所での用事が終わり、どこに行こうか思案しましたが、「麻生の湯」に行きかけたところで方向転換し、たまにはということで、長岡温泉「湯元館」へと向かいました。
 川崎ICから国道17号線を南下して、立川綜合病院前を左折。突き当たりを右折して進みますと、長岡保養園があり、その左奥に「湯元館」があります。

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 木々に囲まれて、隠れるように、ひっそりと佇んでいます。入り口にこんな看板が出ていました。

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 右側には池があり、錦鯉が泳いでいます。

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 玄関に向かいましょう。昭和の空気感が漂う建物が、期待を高めます。

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 玄関前に旅館の方がおられ、招き入れてくれました。

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 玄関を入り、スリッパに履き替えて入館し、受付で料金を払います。

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 前回来たときは400円でしたが、現在は大人500円、小人250円です。日帰り入浴は、土曜日・日曜日の14時から20時までですので、ご注意ください。

 ロビーの右奥の浴室に向かいます。浴室手前にコインロカーがありますので、貴重品を入れましょう。

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 浴室前には、以前は何もなかったのですが、黄色い衝立がありました。右が男湯、左が女湯です。
 
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 この衝立に、「長岡温泉小唄」と「越後長岡温泉」という歌の歌詞が掲げられていました。「長岡温泉小唄」の作詞者が会津八一というのに驚きました。

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 脱衣場に入りますと、脱衣棚に脱衣籠。

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 洗面台には、ドライヤーがあります。

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 ガラス戸を開けて中に入ります。

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 浴室に入りますと、中央に小判型の浴槽があり、出入り用の金属製の階段が付いています。

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 奥の壁にはタイル画があり、昭和レトロの雰囲気を醸し出しています。壁も天井も細かなタイル張りです。

 洗い場は、壁際に古風なシャワーなしの蛇口だけの洗い場が3+2か所で計5か所、ほかにシャワーが2か所あります。
 洗い場には、鏡と温水と水の蛇口があるだけです。固形石鹸のほかに、申し訳程度のリンスインシャンプーがありましたが、洗い場というほどの設備ではありません。
 洗い椅子、洗面器はまとめて置いてありますので、使用時には自分で持っていく必要があります。

 浴槽には、無色透明無味無臭の湯が満ちていて、浴槽の中央の底から源泉が供給され、浴槽の縁から大量にオーバーフローされています。
 湯温は、体感で40℃程度のぬるめでしたが、湯と対話しながら、じっくりと浸かっていますと、体の芯から温まり、汗が噴き出てきました。
 先客が出て行くまで浸かっていようと頑張りましたら、ふらふらになってしまいました。その後次の客が入って来られたところで浴室を後にしました。

 脱衣場の洗面台横に、令和6年6月7日付の最新の分析書が掲示されていました。

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 源泉名は、2号井。泉質は、単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)。源泉温度は、35.8℃(気温17℃)で、使用位置 40.0℃(浴槽での温度)、湧出量 126L/分(動力揚湯)、PH 7.7 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1>、Na 63.1、K 13.6、NH4 0.4、Mg 2.9、Ca 8.3、Sr 0.1>、Ba 0.1>、Al 0.1>、Mn 0.1、Fe(II) 0.2、Fe(III) 0.1>、Cu 0.1>、F 0.3、Cl 83.1、Br 0.2、I 0.2>、HS 0.1>、S 0.1>、S2O3 0.1>、HSO4 5.0>、SO4 5.0>、HCO3 81.6、CO3 0.3、メタケイ酸 130.0、メタホウ酸 0.1>、メタ亜ヒ酸 0.1>、遊離CO2 3.4、遊離H2S 0.1> など、ガス性除く成分総計は、384.1mg/kgです。
 この数字は、前回の分析書(平成25年11月28日付)とほとんど変化がありません。

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 湯使いについての詳しい掲示は見つけられませんでしたが、入浴に適した温度に保つために加温していますが、循環はなく、源泉が掛け流しされています。

 成分的には特徴のない単純温泉ですが、さすがに天然温泉であり、ぬる湯ながらも温まりは良好です。
 成分的に薄いとはいえ、家庭浴槽に入浴剤を入れるよりは、はるかに濃厚な塩類濃度はありますので、無色透明無味無臭の湯とはいえ、侮れません。
 何よりも、鮮度の高い源泉が、大量に掛け流しされており、その満足感と喜びは数字では表せません。

 湯上り後には、浴室前にソファがあります。

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 窓際には、マッサージ椅子があります。

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 ロビーにもソファがあり、テレビもあります。

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 卓球台もあります。

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 館内のどこを見ても、昭和の時代の空気感で満たされていて、これが大きな魅力になっています。

 設備的には劣りますが、鮮度の高い源泉をかけ流しで楽しめるのは、何よりも勝る大きな魅力です。いい温泉に浸かったという大きな満足感とともに、「湯元館」を後にしました。

 かつての長岡温泉には、「湯元館」のほかに、「三九荘」「長岡館」の3軒の温泉旅館がありましたが、現在は「湯元館」だけになってしまいました。この魅力あふれる長岡温泉を、末永く守って行ってほしいですね。