やっぱりいいなあ 「さくらの湯」

 弥彦村の西の外れにある日帰り温泉「さくらの湯」は、2006年10月のオープン以来のファンなのですが、もう開業18周年なんですね。
 弥彦桜井郷温泉は、豊富な湯量を誇っていましたが、弥彦村の福祉施設の「高齢者総合生活支援センター」でしか利用できませんでした。この源泉を800m引き湯して建設された一般向けの温泉施設が「さくらの湯」です。
 開業時に名称が公募されて「さくらの湯」に決定されましたが、このとき新発田市(旧加治川村)に「さくらの湯」が存在していましたので、良くないと憤慨していたのも懐かしい思い出です。
 以来、その変遷を見届けてきましたが、一番特筆すべきことは、源泉がどんどん濃くなっていることです。
 開業当初は、ガス性除く成分総計が469.4mg/kgの単純硫黄泉でしたが、検査のたびに濃度を増し、2023年7月付の分析では、ガス性除く成分総計が2858mg/kgの含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉となっています。
 経年変化でどんどん薄くなっている温泉は多々ありますが、検査のたびに濃度が濃くなり、魅力を増している温泉は珍しいと思います。

 前置きが長くなってしまいましたが、某日の夜、某所への出張の帰り道に立ち寄りました。前回利用したのが5月下旬でしたので、5か月ぶりでした。

 雨降る中に「さくらの湯」に到着。広大な駐車場に車をとめて、玄関へと小走りしました。秋は深まり、周囲は真っ暗です。

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 「いらっしゃいませ」の看板が迎えてくれます。

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 玄関を入り、右手の下足箱に靴を入れ、受付へ。

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 料金は、タオルセット・館内着付きで、大人1150円、小人650円です。平日17時以降は夜間割引で、タオルセット付で大人700円、小人450円と格安です。

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 いつのまにか料金は後払いになりましたので、下足箱の鍵と引き換えに、ロッカーキーとタオルセットを受け取ります。

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 奥の浴室に向かいます。手前が女湯、奥が男湯で、向かい側には別料金の岩盤浴がありますが、利用したことがありません。

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 脱衣場は、増築されて複雑に入り組んでいますが、たくさんの木製ロッカーが並んでいます。
 洗面台には、ヘアブラシや整髪料、ローション等が揃っており、ドライヤーは無料です。ここにはまだ悪名高きダイソンドライヤーは進出していません。

 浴室に入りますと、すぐに掛け湯があり、左にドライサウナと小さな水風呂、その奥に現在は水風呂になってしまった替わり湯浴槽があります。中央には腰掛湯があります。
 右には、洗い場があり、仕切り付きが10ヵ所、仕切りなしが7ヵ所です。通常のボディソープ、シャンプー、コンディショナーのほかに、サウナー用にクールタイプのボディソープ、リンスインシャンプーもあります。垢すりが置いてあってありがたいです。
 そして、奥には大小2つの浴槽があり、大浴槽は42℃程度の適温ですが、小浴槽は40℃程度のぬるめです。注湯口から注がれた湯は、窓側の浴槽の縁からオーバーフローされています。

 温泉は生き物であり、湯色はその日によって異なりますが、この日は無色透明でした。
 硫化水素臭がかすかに漂い、自己責任でなめますと、ほど良い塩味と硫黄味を感じます。肌に優しい柔らかな湯です。
 大浴槽は、中央に金属バーがあって邪魔に感じます。注湯口前は、加熱源泉をダイレクトに受け止められますので、お気に入りの場所です。
 鮮度の高い源泉が、大量に掛け流しされていて、贅沢感を感じながら湯に浸かりました。ほど良い濃度の良質な硫黄泉は、大きな魅力です。

 内湯を楽しんだ後は、露天風呂へ。内湯側の屋根の下の浴槽が一番鮮度が高く感じられて好きです。
 奥の注湯口から注がれた源泉は、手前側の浴槽の縁からオーバーフローされています。
 そのほか、浅めの浴槽、深い立ち湯、寝湯、壺湯(3か所)など、多彩な浴槽が、絶妙な配置で造られています。
 これらの浴槽は循環併用のようであり、軒下の浴槽より明らかに鮮度は落ちますが、各浴槽を順に巡っていますと、時が経つのも忘れて楽しめます。

 内湯に戻って、空いているタイミングを見計らって、ドライサウナも利用しました。
 以前は布製の1人用サウナマットが積んでありましたが、現在は通常のよくあるウレタン製のサウナマットです。
 TVを見ながら、たっぷりと汗を流し、乱れた自律神経をリセットしました。

 内湯に露天風呂と、たっぷり楽しみ、浴室を後にしましたが、湯上りの汗は止まらず、バスタオルを首に掛けて浴室を出ました。

 さて、平成5年7月31日付の分析書によりますと、源泉名は、やひこ桜井郷。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度 44.5℃、湧出量 394L/分(動力揚湯)、PH 8.2。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 812.6、K 13.2、NH4 0.6、Mg 3.3、Ca 226.0、Sr 5.9、Ba 1.5、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.2、Cl 1599、Br 6.0、I 0.4、OH 0.0、HS 6.5、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 80.5、NO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 3.0、HCO3 43.4、CO3 3.0、メタケイ酸 33.8、メタホウ酸 17.6、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 0.6、遊離H2S 0.4 など、ガス性除く成分総計は2858mg/kgです。
 加水なし、入浴に適した温度を保つため一部加温、衛生管理のため一部循環、衛生管理のため塩素系薬剤を使用とのことです。

 湯上りは、大広間にある給茶器で冷茶をいただきました。

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 これまで茶碗が用意されていましたが、今回は紙コップになっていました。ここのお茶は濃くて美味しく感じます。

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 しばし休憩したあとに、隣の足湯を覗いてみましたが、無人でした。

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 リラックスルームに移動。

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 ここの安楽椅子は、座り心地が良くて大好きです。

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 しばし休憩しているうちに夜も更けてきましたので、受付で料金(700円)を払って退館しました。

 通常料金は1150円と高く感じますが、タオルセットのほか、館内着付きで、充実した浴室と館内設備、そして素晴らしい源泉を鑑みますと、決して高くは感じません。
 館内着は、温泉旅館のような浴衣を選べて、女性は好みの色柄を選べますので、非日常を満喫できます。
 そして、平日17時以降は夜間割引で、タオルセット付で700円になります。昨今の値上げラッシュの中にあって、この値段は格安と言えましょう。
 今回は利用しませんでしたが、食事処も充実しており、メニューも豊富です。

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 新潟県内では最高水準の魅力あふれる日帰り温泉施設であり、万人にお勧めできる温泉です。その分、休日は混み合うことが多いのが難点ですが、これからも空いている日時を選んで利用させていただきたいと思います。