露天風呂を独り占め 「雪割草の湯」

 「雪割草の湯」は、柏崎市の海岸沿いを走る国道352号線沿いにある公共日帰り温泉です。もともとは合併前の西山町の公共温泉でしたが、合併後に海岸部の現在の場所に移転し、2006年4月29日にオープンしました。
 毎回書いていますが、開業記念式典に参加し、市長らによるテープカット直後の一番湯をいただいたのが自慢です。
 新潟市方面からですと、国道402号線を寺泊から出雲崎へと海岸沿いを走ります。出雲崎からは国道352号線となり、さらに海岸沿いを進みますと、石地の先にあります。1本道の国道に面していますので、迷わずに行けるはずです。

 近隣に行く用事があり、その帰り道に立ち寄りました。前回利用したのは今年の3月でしたので、7か月もご無沙汰していました。

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 国道沿いに広い駐車場がありますが、坂を上った上の玄関前にも数台の駐車場があります。

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 車をとめて、玄関に向かいます。

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 玄関を入って、左に下足箱がありますので、靴を入れて受付へ。

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 券売機で入浴券を購入します。通常600円ですが、例によって「温パラ」の割引を利用して、500円で入館できました。
 入浴券と下足箱の鍵を提出しますと、鍵と引き換え用に、番号が記された木製の札が渡されます。

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 食事処の広間を挟んで、左右に浴室があり、男女交互に使用されます。

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 左の浴室は内湯だけですが、右の浴室には露天風呂があります。今回の男湯は、幸いにも前回同様に右の浴室でした。

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 脱衣場には鍵付きロッカーがありますので、空いている場所を自由に使用します。洗面台には無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、奥に大浴槽があり、手前の左右の壁際に、仕切り付きの洗い場が、4+3か所で計7か所あり、公共温泉でよく見かけるボディソープとリンスインシャンプーがあります。
 浴室の床や側壁、浴槽は、石造りで重厚感があります。側壁の上部と天井は木で、暖かさを感じます。
 窓からは日本海を一望できるのですが、目隠しフィルムが張られて見えなくなっています。

 浴槽は黒っぽいので、湯色は確認できませんが、無色透明であり、自己責任でなめれば、塩味と薬味があり、薬臭と軽いツルスベ感があります。湯温は41℃程度でしょうか。個人的にはもう少し熱めが好きですが、これくらいが一般的には適温でしょう。
 隅にある注湯口からは湯の供給はなく、間欠的に少量だけ注入されるのみです。浴槽の底からは循環湯が注入されていて、オーバーフローはありません。
 他に客が1人だけいて、独り占めにはなりませんでしたが、ゆったりと湯に浸かり、しばし湯と対話しました。

 内湯を楽しんだ後は、露天風呂を楽しみました。最初は先客が1人おられましたが、すぐに出て行かれて、以後私だけの独占となりました。
 外へ出て、数段の階段を降りたところに露天風呂があります。屋根があり、塀に囲まれて視界は遮られています。内湯同様に石造りの長方形の浴槽で、ここも注湯口からは湯の供給はなく、浴槽内に加熱源泉の注入があります。
 内湯よりは若干湯温が高めで、気持ち良かったです。ほかに客はなく独り占めで楽しみ、温まった後は浴槽の縁でクールダウンしました。
 入浴と休憩を何度か繰り返して、乱れた自律神経をリセットし、頭を空にして、ストレスを解消しました。
 景色が見えれば良いのですが、塀に囲まれていて景色を楽しめないのが残念です。もっとも、すぐ下は駐車場ですし、その先には国道があり、車が行き交っています。塀の隙間から日本海を眺めて我慢しましょう。

 さて、脱衣場には、これまでの平成26年4月9日付の分析表に代わって、令和6年8月19日付の最新の分析書が掲示されていました。
 源泉名は、大崎温泉。泉質は、含よう素ーナトリウムー塩化物冷鉱泉(高張性弱アルカリ性冷鉱泉)。源泉温度 21.2℃(気温 29℃)、使用位置 41.0℃(浴槽での温度)。湧出量 3.4L/分(掘削自噴)。PH 7.6(湧出地)。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 1.0、Na 5189、K 18.5、NH4 14.8、Mg 12.8、Ca 40.5、Sr 2.8、Ba 7.3、Al <0.1、MN 0.1、Fe(II) 2.3、Fe(III) <0.1、Cu <0.1、F 0.3、Cl 7556、Br 47.2、I 17.6、HS <0.1、S<0.1、S2O3 <0.1、HSO4 <5.0、SO4 <5.0、HCO3 1037、CO3 3.1、メタケイ酸 25.7、メタホウ酸 68.6、メタ亜ヒ酸 <0.1、遊離CO2 43.7、遊離H2S <0.1 など、ガス性除く成分総計は、14040mg/kgです。
 湯は高濃度のため加水、入浴に適した温度を保つため加温、衛生管理と浴槽内の温度を維持するため循環ろ過を使用、衛生管理のため塩素系薬剤により消毒とのことです。
 10年前の分析とほぼ同様の数値で、泉質的変化はありませんが、前回の分析書では「含よう素」が抜けていましたが、今回はちゃんと「含よう素」となっていました。

 湧出量が少ない冷鉱泉ですので、加水・加温・循環ろ過は避けられませんが、浴槽の湯を自己責任でなめてみますと、残念ながらかなり加水されていることが伺われます。
 でも、もともとが濃厚ですので、ツルスベ感もありますし、温泉ととしての味わいと魅力は感じられます。以前は、休日だけ源泉掛け流しをしていたこともありましたが、最近そういう話題は聞きません。
 
 露天風呂は独占できましたし、内湯も空いていて、リラックスして心身を癒すことができました。これは泉質を論じること以上の喜びです。
 十分に温泉を楽しみ、次の客が2人続けて入って来られたところで浴室を後にしました。

 湯上りには、無人の広間で休憩。

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 奥のリラックスルームを覗いてみましたが、無人でした。

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 しばし休息をとって退館し、海岸沿いの国道を北上して、新潟市へと向かいました。

 海岸部を走る国道沿いにあり、立ち寄り湯するには非常に便利です。行楽や通りすがりでの利用をお勧めします。