「鷹羽鉱泉」再開へ!

 10月30日の新潟日報に、上越市牧区宇津俣の「鷹羽鉱泉」が10年ぶりに復活するとの記事が出ていました。
 予約制の貸し切りサウナ施設として、2025年5月末のオープンを目指しているそうです。

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 鷹羽鉱泉は、鷹が怪我をした羽を癒やしていたという伝説が始まりで、江戸時代から宇津俣湯として知られる古い温泉場だったそうです。
 1927年(昭和2年)に、前の経営者の祖父が内湯を地元住民に解放したのが始まりで、その後宿泊営業もして湯治場として栄えた時期もあったそうです。
 近年では、冬期は休業して毎年5月から11月中旬の季節営業を続けて、露天風呂からの眺めが人気でした。
 知る人ぞ知る秘湯として、温泉ファンの間では知られていて、私も1999年に急坂の悪路を苦労して登って初めて訪問し、その後も魅力ある温泉を何度か楽しませていただきました。
 1日当たり1万2千~1万4千Lが湧出し、泉温約10℃の単純硫黄冷鉱泉を近くで噴出する天然ガスで沸かして、内風呂や露天風呂で利用されていましたが、前経営者が高齢となり、2014年10月末で一旦閉館しました。

 その後常連客だった方が後継者として引き継ぎましたが、施設は老朽化し、露天風呂は漏水があったりと困難に直面しました。
 改修を進めて、苦難の末に温泉の利用許可は得られましたが、公衆衛生法の規定等により営業許可を得るのが難しく、寸志による野湯として再開することになり、2017年7月9日にオープンしました。
 2つある浴槽のうち、ひとつは加熱しない源泉が使用されました。オープン当日から、多数の温泉ファンが全国から集ったそうですが、残念ながら私は行く機会がありませんでした。
 その後11月3日をもって冬季閉鎖となり、2018年6月24日に再オープンしました。日曜日を中心に不定期にオープンしていましたが、この年は11月4日を最後に冬季閉鎖となりました。

 冬を越えて2019年6月に再オープンの予定でしたが、地滑りによる道路の寸断によりオープンできない状況となりました。
 その後復旧工事が進められましたが、その間にも台風に伴って何カ所もの地滑りが起こり、道路は寸断され、アクセスできない状況が続いていました。
 その後工事が進んでアクセスできるようになりましたが、温泉の建物は老朽化と毎年の豪雪被害や地震等により使用困難な状況になりました。

 そのため、骨組みだけ残して大きくリノベーションし、内風呂をシャワールームとし、畳敷きの休憩室は洋風のベッドルームにすることにしたそうです。サウナ施設を建設し、壁面の一部はガラス張りにして、景色を見ながらサウナを楽しめるようにしたそうです。
 湧水を用いたドラム缶型の水風呂のほか、露天風呂の一つをサウナの水風呂として利用することにしたとのことです。もう一つの露天風呂は以前と同様に天然ガスで沸かして利用するとのことです。冷鉱泉を逆手にとって、サウナの水風呂にするというのは、なんとも贅沢ですね。
 今年は関係者限定で試験営業していますが、来年5月末~6月中旬の雪解け後に本格オープンを予定しているそうです。
 サウナのほか、再び鷹羽鉱泉を楽しめるのはありがたいことであり、これは楽しみなニュースですね。具体的な今後の情報に期待したいと思います。