村杉温泉侮れず「長生館」

 阿賀野市の村杉温泉は、全国有数のラジウム泉として知られていますが、歓楽的要素のないひっそりとした温泉街が魅力です。温泉街の中央には、共同浴場や足湯があり、常連客でいつも賑わっています。
 この温泉街の中央にあり、一番規模の大きい旅館が「長生館」です。コロナ前には、毎年忘年会や新年会で宿泊利用していたのですが、コロナ後は宿泊や宴会での利用がなくなってしましました。
 最近では、定期的にジャズライブを開催したりもあり、村杉温泉の中にあって、独自の企画で楽しませてくれています。
 日帰り入浴にも力を入れていて、回数券の販売や、6個で1回無料になるスタンプカードもあり、私も利用させていただいています。

 そんな「長生館」に先日の夜に行ってきました。10月に紹介したばかりなのですが、ネタ切れですので、お付き合いください。

 冷たい雨が降るひっそりとした温泉街の中で、照明に照らされた「風雅の宿 長生館」と書かれた看板が優しく迎えてくれました。

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 駐車場には宿泊客の車がびっしりとありましたが、空いた場所を見つけて駐車し、玄関に向かいました。

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 館内に入りますと、右手にフロントがありますので、料金を払います。

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 入浴料は、大人1000円、小人600円でタオル別です。フェイスタオル販売300円、バスタオル貸し出し300円です。
 6枚で5000円の回数券の販売があり、スタンプ6個で次回無料になるスタンプカードがあります。
 利用時間は、昼は11時~14時(15時まで入浴可)、夜は18時~20時(21時まで入浴可)です。
 毎月割引キャンペーンをやっていて、大人800円、小人500円で利用できますので、公式サイトを確認して利用されることをお勧めします。
 12月は、1日~19日まで、休館日を除いて夜間は割引になりましたので、これを利用させていただきました。

 ロビーを左奥に進んで浴室に向かいます。

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 階段を上がって左に進みます。

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 渡り廊下の先が浴室です。

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 左が女湯、右が男湯です。

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 タイミング良く、脱衣場や浴室は無人で、完全な貸し切り状態でしたので、写真を撮らせていただきました。

 脱衣場には脱衣棚に脱衣籠があり、奥に洗面台があります。

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 浴室に入りますと、浴槽がひとつあるのみで、もうもうと湯気が立ち込めていました。2面がガラス張りになっていますが、夜ですので外は真っ暗でした。

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 壁際には、5か所+3か所で計8か所の仕切りなしの洗い場があり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。ほかにシャワーが2か所あります。

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 浴槽には、無色透明無味の湯が満ちており、若干のカルキ臭がありますが、気になるほどではありません。
 注湯口から注がれた湯は、浴槽の縁からオーバーフローがあり、基本は循環湯のはずですが、掛け流しの気分を味わえます。

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 湯温は40~41℃程度でぬるめなのですが、体の芯にガツンと響いてくるような感覚があります。

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 しばし内湯で温まり、露天風呂へ移動しました。

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 外に出ますと、露天風呂に通じるトンネルがあります。

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 トンネルを抜けますと、広い空間が広がり、手前側に屋根がある露天風呂があります。

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 大小2つの浴槽があり、大きい方は加熱された源泉ですが、小さい方は非加熱の源泉が掛け流されています。

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 浴槽内にある鯉のモニュメントを見ながら温泉を楽しみました。

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 ライトアップされた庭木も風情があります。

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 左奥にも注湯口に向かうように鯉のモニュメントがあります。

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 浴槽内の加熱源泉で背中炙りをして、十分に温まったところで、非加熱源泉を楽しみました。

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 さすがに12月ですので、冷たかったですが、浸かっていますと、なじんできて気持ち良く感じられました。

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 加熱源泉・非加熱源泉を交互に浸かりますと、サウナ同様にととのうことができますし、ポカポカ感を感じます。

 独り占めの露天風呂を十分に楽しんで内湯に戻りますと、他の客がおられて、私と入れ代わりに露天風呂に向かわれました。
 独り占めの内湯浴槽にもう1度浸かり、もうもうとした湯気を吸入しながら、村杉の湯を存分に楽しみました。

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 2021年8月31日付の分析書によりますと、源泉名は、薬師乃湯3号井。泉質は、単純弱放射能温泉(低張性アルカリ性低温泉)。源泉温度 25.3℃。湧出量 239L/分(掘削自噴)。PH 8.5。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 50.3、K 1.4、NH4 0.3、Mg 0.3、Ca 31.2、Sr 0.3、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F0.6、Cl 16.6、Br 0.1、I 0.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.8、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 135.6、HPO4 0.1、HCO3 37.2、CO3 0.0、メタケイ酸 26.1、メタホウ酸 0.1、遊離CO2 0.2、遊離H2S 0.0、など、ガス性除く成分総計は301mg/kgです。そのほかに、ラドン(Rn)を 89.9 x10-10Ci/kg(24.7マッヘ単位)含みます。

 源泉供給方法に関しての記載によりますと、源泉は自噴しており、薬師の足湯付近の貯湯タンクにポンプを用いて圧送し、貯められた源泉は加圧ポンプを用いて、道路埋設配管で当館に供給(供給量は毎分20L)しているそうです。
 源泉は入浴に適した温度に加温して浴槽に供給、衛生管理と温泉資源の保護を目的として循環ろ過装置を使用、レジオネラ菌等の細菌繁殖防止のために塩素系薬剤による消毒処理を実施、加水処理や入浴剤の使用なし、とのことです。
 
 源泉の利用に関する情報としては、源泉は入浴に適した温度に加温して浴槽に供給、衛生管理と温泉資源の保護を目的として循環ろ過装置を使用、レジオネラ菌等の細菌繁殖防止のために塩素系薬剤による消毒処理を実施、加水処理や入浴剤の使用なし、とのことです。

 低温の源泉ですので、加熱・循環は避けられませんが、露天風呂の小浴槽では非加熱源泉の掛け流しを楽しめます。

 無色透明の湯で、一見何の特徴もないように感じる湯ですが、湯気を吸入し、ぬるめの湯にじっくりと浸かっていますと、体の芯に響くように温まり、汗が噴き出てきます。疲労感も感じて、ただの湯でないことを実感します。
 この感覚が、まさに村杉温泉の魅力であり、湯気とともにラドンを吸入できる内湯でその効果をより感じることができます。

 湯上りにはロビーに移動。

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 クリスマスツリーが年末を感じさせます。その奥に飲泉所があります。

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 のどを潤して、ライトアップされた庭を眺めました。

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 小休止して退館しましたが、ぬるめの湯でありながらも、家に着くまで、身体のポカポカ感は続きました。まさに「村杉温泉侮れず」ですね。