クリスマスイブは 「寺泊きんぱちの湯」独り占め

 長岡市の海岸部、寺泊の水族館近くにある「寺泊きんぱちの湯」は、天然温泉ではありませんが、佐渡沖の海洋深層水を使用した風呂が魅力です。
 2004年4月にオープンし、2006年3月に左隣に新館が増築され、さらに2013年4月にも増築されて食堂部分が拡張されて現在の姿になりました。
 そして、開業20周年の今年は、1月15日より改装リニューアル工事のため休館し、浴室も改修されました。内湯は変わりないですが、屋外に「海のサウナ」が新設され、これまでミストサウナだった場所が水風呂になりました。
 3月12日からのプレオープンを経て、3月26日にグランドオープンし、私もグランドオープンの割引期間中に利用させていただきました。

 その後しばらく行っていませんでしたので、先日のクリスマスイブの夜に、出張からの帰り道に立ち寄ってきました。

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 玄関前のイルミネーションがきれいでした。

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 中に入りますと、右側に下足箱、正面にロビー、その先に食事処があり、左側に受付があります。

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 右側にある下足箱に靴を入れます。

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 左手の受付で、料金を払います。

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 入館料は、平日は、大人900円(17時以降800円)、小人(3歳~小学生)400円(17時以降300円)、土日祝日は、大人1000円(17時以降800円)、小人(3歳~小学生)500円(17時以降400円)で、タオルセットは200円、館内着は200円です。
 60歳以上は、年会費1000円で、平日・土日祝日ともに600円で利用できます。営業時間は10時~21時で、最終入館は20時30分です。

 館内右奥にある浴室に向かいます。

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 手前の浴室が「金波」、奥が「銀波」と命名されています。浴室や脱衣場の配置が左右対称になっているほかは、基本構造・設備は同じですが、露天風呂が「金波」は岩風呂風、「銀波」は上下2段になった円形浴槽という違いがあります。この日の男湯は手前側の「金波」でした。

 
脱衣場には、スチールロッカーが多数並び、その上に脱衣籠もあります。洗面台は、合わせ鏡状で、無料のドライヤー、ヘアブラシ等があります。脱衣場内には紙コップ式の給水器があり、喉を潤すことができます。

 脱衣場から出ますと小さな空間があり、ここから大浴場、水風呂、露天風呂と、3方面への入口がありますが、まずは大浴場です。

 中に入りますと、右側の窓際に掛け湯、バイブラバス、ジャグジー付きの寝湯、大浴槽、そして小浴槽があります。中央に腰掛湯、左に水風呂と小さなドライサウナがあり、左奥に洗い場があります。

 バイブラバスと寝湯は、海洋深層水100%が使用されており、自己責任でなめてみますと、塩辛さと強い苦味があります。
 大浴槽は、「大海の湯」という名前で、入浴剤による人工温泉で、アルカリ性単純温泉と掲示されていました。
 無色透明でカルキ臭を感じましたが、味は確かめませんでした。若干のツルスベ感があり、アル単らしさの面影は感じられました。
 奥にある小浴槽は、以前はマイクロバブルによる「美肌風呂」という白濁湯でしたが、今回の改修に伴って中止され、単なる白湯になっているのは残念です。

 洗い場は、仕切り付きが8か所、仕切りなしが6か所あり、フタバ化学製の業務用のボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。ほかにシャワーもあります。

 ドライサウナは非常に小さく、ぎゅうぎゅう詰めにしても7~8人が限度です。低温サウナとのことですが、このときの室温は82℃程度でしたので、十分に熱めでした。森の香りのアロマサウナとの表示がありましたが。私の鼻では香りを感じ取れませんでした。

 内湯を楽しんだ後は、露天風呂に移動しました。外に出ますと寒風が吹き荒れており、激しい風の音と波の音が寒さを助長していました。雪交じりの寒風にさらされて、ヒートショックのリスクもたっぷりでした。
 岩風呂風の露天風呂に急いで浸かりましたが、この浴槽は非常に浅く、普通に浸かれば胸下までの半身浴になってしまいますので、寝湯の体位で浸かって温まりました。
 内湯より若干熱めでしたが、せいぜい41℃程度でしょうか。海洋深層水100%の湯ではありますが、寒さの中ではもう少し熱い方が好みです。

 温まり切れずに、新設された「海のサウナ」に移動しました。ドアを開けて中に入りますと、サウナマットが並ぶ棚があり、サウナマットを1枚もって、ドアを開けてサウナ室に入ります。
 内湯のサウナと違って、十分な広さがあり、鍵の手状に2段の座面があり、17人が余裕をもって利用できます。
 ベージュの色調で、間接照明になっていて、落ち着きと高級感を醸し出しています。
 ガラス窓があり、外を見渡すことができますが、夜でしたので、真っ暗で何も見えませんでした。
 室温計は88℃を表示していましたが、数字以上に熱く感じました。サウナストーブにはベージュ色のサウナストーンが積まれていて、オートロウリュ装置があって、毎時00分と30分に、ロウリュウされます。
 オートロウリュの時間を待ちましたが、少量の水が注がれるだけで、あっけなく終わってしまいました。「極楽湯 女池店」のように、送風装置と組み合わせると魅力倍増に思います。

 サウナを楽しんだ後は、改修されて新設された水風呂に浸かりましたが、脱衣場方面からの入り口と、外のサウナ側からの入り口と2つありますので、「海のサウナ」に向かう場合、この水風呂を経由して外に出ますと近道になります。

 露天風呂と「海のサウナ」を楽しみ、内湯をもう一度楽しみました。内湯からは日本海を一望できるのですが、今回は夜の利用でしたので、景色は全く見えませんでした。日没時に利用しますと、佐渡に沈む夕日を見ながらの入浴を楽しむことも可能です。

 さて、内湯、露天風呂、サウナと、それぞれを十分に楽しみましたが、今回は何と、すべてが独り占めで利用できました。
 浴室内には私のほかは1人だけで、それぞれ重ならないように利用していましたので、独り占めになりました。
 浴室を利用している間には、次の客は全く来られませんでした。雪交じりの強風が吹く大荒れの夜で、しかもクリスマスイブ。日帰り客の利用は少なく、宿泊客は夕食を楽しんでおられましたので、こうなったものと思います。何とも贅沢な時間を過ごすことができて良かったです。

 浴室を後にして、ロビーでTVを観ながら休憩しましたが、隣の食事処では、宿泊客の皆さんが夕食を食べておられ、鍋の臭いが漂ってきて、空腹感を感じ、宿泊客をうらめしく眺めました。

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 ロビーにはクリスマスツリー。世間ではクリスマスイブを楽しんでおられると思いますが、私には無縁です。
 クリスマスツリーに向かって「メリークリスマス」と心の中で叫んで、退館しました。

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 外に出ますと、空っぽの足湯が寂しさを感じさせます。せっかくの足湯がもったいないですが、この時期に利用する人はいないでしょうね。

 私の精神状態と同様に、時折吹雪になる悪天候の中に、暗い夜道を車を進め、現実が待つ新潟市へと向かいました。

 さて、ここの売りである海洋深層水は、泉質的には立派なナトリウムー塩化物強塩泉ですので、温泉としての味わいを楽しめます。海水のようなべたつきがないのが不思議で、浴感も良好です。
 露天風呂が浅すぎるのが残念で、湯温がもう少し熱いともっと良いと思いますが、私の個人的好みです。
 新設された「海のサウナ」はなかなか良いです。まだピカピカのきれいさですし、ガラス窓が付いていますので、昼間は景色も楽しめます。水風呂も整備されていますし、サウナーの皆さんにはお勧めだと思います。