今年最後の月岡温泉 共同浴場「美人の泉」を楽しむ

 2024年もあとわずかになりました。これからは今年の〆の温泉巡りになりますが、今年最後の月岡温泉を楽しもうと「美人の泉」に行ってきました。
 コロナ前は、毎年月岡温泉で泊りの忘年会が3回程度あり、泊りの新年会もあったのですが、中止になって久しくなります。
 毎年この時期には、飲んで、騒いで、そして月岡の湯をたっぷりと堪能し、夜明け前から温泉に浸かっていました。
 大型旅館の明かりを見ながら、良き時代を懐かしく思い起しましたが、立ち寄り湯で我慢することにしましょう。

 ということで、仕事帰りに月岡温泉へと車を進め、「美人の泉」に行ってきました。

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 玄関先の券売機で入浴券を購入します。大人600円、小人350円です。

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 玄関の引き戸を開けて中に入り、左の受付に入浴券を提出し、右の下足棚に靴を入れて入館します。

 玄関のすぐ前が浴室で、右が女湯、左が男湯です。暖簾や入口の戸が、この夏から随分と派手になりました。

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 脱衣場に入りますと、脱衣棚に脱衣籠がありますが、鍵付きスチールロッカーもあります。洗面台には無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、もうもうとした湯気と硫化水素臭が立ち込めていて、温泉気分を盛り上げてくれます。
 左右の壁際に2か所ずつに仕切り付きの洗い場があり、ボディソープとリンスインシャンプーがあります。
 奥に浴槽がひとつあり、エメラルドグリーンの湯が満ちています。右側に新鮮な源泉の注湯口と循環湯の注湯口があり、注がれた湯は、反対側の左端の浴槽の縁からオーバーフローされています。
 基本は循環式ですが、新源泉の注入分は掛け流されていますので、次善の方式と言えるでしょう。

 浴室内には先客が3人ほどで、混雑はありませんでしたので、ゆっくりと洗身し、ゆったりと湯を楽しみました。
 湯温はせいぜい41℃程度で熱くはないですが、硫化水素の血管拡張作用で温まりは良好です。新源泉をなめますと、苦くて不味い月岡の湯です。
 硫化水素臭を嗅ぎながら、目を閉じて湯と対話し、次第に頭を空にして、至福のひとときを過ごしました。
 やっぱり、月岡の湯は良いですねえ・・。旅館に泊まって夜明けの露天風呂に浸かっていた頃を思い起こしました。

 2023年6月8日付の分析書によりますと、源泉名は、月岡5号井。泉質は、含硫黄ーナトリウムー塩化物・硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。源泉温度 50.3℃、使用位置 42.0℃。湧出量 440L/分(動力揚湯)。PH 7.7 です。 
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.3、Na 1047、K 23.7、NH4 8.3、Mg 20.8、Ca 50.5、Sr 2.6、Ba 0.0、Al 0.0、Fe(II) 0.7、Cu 0.2、Zn 0.0、F 3.0、Cl 1061、Br 4.6、I 0.8、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 34.9、HSO4 0.0、S2O3 32.2、SO4 557.4、HPO4 0.2、HCO3 477.2、CO3 0.0、メタケイ酸 44.1、メタホウ酸 12.3、遊離CO2 16.0、遊離H2S 7.9 など、ガス性除く成分総計は3494mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つために加温、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用とのことです。

 10年前の分析書に比べて、硫化水素イオン(HS) が71.5から34.9mg/kgに、チオ硫酸イオン(S2O3) が41.4から32.2mg/kgに、遊離硫化水素(H2S) が8.1から7.9mg/kgに低下しており、硫黄分が大きく減少していてパワーダウンが否めませんが、新潟を代表する硫黄泉には違いなく、その満足感が失われるわけではありません。

 湯上りには、いつものこれです。

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 毎回書いていますが、冷たくて美味しいです。日帰り温泉の中では、この水が一番美味しく感じます。

 奥の休憩室に向かいます。

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 広間には誰もおられず、独り占めで休息しました。

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 壁に入浴の左方についての掲示がありました。是非お読みください。

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 頃合いをみて退館し、体に染みついた硫化水素臭を嗅ぎながら気分よくハンドルを握り、豊栄経由で泰平橋を渡り、海老ケ瀬ICから新潟バイパスへと快適に車を進めました。