2つの浴室に天然温泉 安さで選べば「黒埼荘」

 新潟市内に公共の温浴施設は何か所もありますが、その中で天然温泉を楽しめるのが「老人福祉センター黒埼荘」です。
 老人福祉センターとはいうものの、一般人も安価に利用できますので,隠れた穴場とも言えましょう。

 新年早々「西方の湯」に行った直後に不幸があって、温泉に出かけることもできなかったのですが、落ち込んでばかりではいけませんので、少しずつ活動を再開したいと思います。
 とは言うものの、遠出する元気はありませんでしたので、家から一番近い天然温泉の「黒埼荘」を利用することにしました。

 新潟西バイパスの亀貝ICからすぐの場所にあり、交通の便は良好です。かつてこの地は緒立温泉として栄えて、数軒の旅館が営業していましたが、現在では緒立温泉を利用できるのは「黒埼荘」だけになりました。

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 玄関を入りますと、左に下足棚があり、右に券売機と受付があるのですが、たいていは正面に係員が待ち構えています。

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 入浴料金は、新潟市内の60歳以上は100円、一般(60歳未満)250円、小中学生120円、乳幼児無料、市外一般450円、小中学生120円、幼児無料で、タオルなしです。
 市内の60歳以上は、1か月500円、6か月3000円、1年5000円の定期利用券が販売されています。
 開館時間は、9時~16時30分で、入浴時間は、10時~16時まです。休館日は、毎週月曜日、5月4日、8月13日~8月15日、12月29日~1月3日です。
 なお、今年の4月から、新潟市内の公共施設の利用料金が一斉に値上げされますが、老人福祉センターの入浴料金も改定され、新潟市内の60歳以上は120円、一般(60歳未満)300円、小中学生140円、市外一般540円、小中学生140円に値上げされます。それでも、新潟市民なら安価と言うべきでしょう。

 浴室は2か所あります。玄関ロビー左側に本館の浴室があり、ここで緒立温泉が使用されています。反対側の右奥に新館の浴室があり、ここは沸かし湯です。
 本館浴室は狭いですが、天然温泉を楽しめます。新館浴室は広いですが、沸かし湯です。お好みの方を利用されれば良いのですが、当然ながら私は、毎回両方利用します。

 まずは本館の浴室です。玄関ロビーのすぐ左に男女浴室があります。男湯は右です。

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 浴室は非常にコンパクトです。脱衣場には、鍵付きロッカーのほか、脱衣棚もあります。洗面台がありますが、ドライヤーはありません。

 浴室に入りますと、右手の壁際に仕切りなしの洗い場が8か所あり、ボディソープがありますが、シャンプーはありません。
 左に浴槽があり、茶褐色に混濁した湯が満ちています。注湯口から湯が注がれていますが、オーバーフローはなく、循環式です。
 湯温は40~41℃程度で、無臭ですが、自己責任でなめますと薄い塩味がして、ツルスベ感があります。
 浴室も浴槽も広くはありませんので、ゆったり感は乏しいですが、天然温泉を楽しめますので、文句は言えません。

 浴室前に掲示されている平成30年1月16日付の分析書によりますと、泉質はナトリウム・塩化物温泉(低張性中性冷鉱泉)、源泉温度14.8℃(使用位置43.0℃)、湧出量56L/分(動力揚湯)です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 778.0、K 32.7、NH4 22.7、Mg 30.1、Ca 27.1、Sr 0.4、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.8、Fe(II) 7.3、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.1、Cl 1374、Br 4.8、I 3.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 4.0、HPO4 0.0、HCO3 463.8、CO3 0.0、メタケイ酸 54.3、メタホウ酸 0.0、遊離CO2 30.0、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は2764mg/kgです。
 加水なし、加温あり、循環ろ過装置使用あり、塩素系薬剤による消毒あり、入浴剤の使用なしとのことです。

 浴室前には、緒立温泉についての説明が掲示されていますので、是非ご覧下さい。

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 かつて湯治場として賑わっていた頃の写真もあります。

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 冷鉱泉を加熱した循環湯ではありますが、温泉としての味わいは十分に感じられます。

 続いて、新館の浴室に移動しましょう。こちらは本館浴室より広く、ゆったりしています。

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 脱衣場には、鍵付きロッカーのほか、脱衣棚に脱衣籠があります。脱衣場とは仕切られた奥に洗面台があります。

 浴室に入りますともうもうとした湯気が立ちこめていました。入浴営業終了前の最後の客でしたので、写真を撮らせていただきましたが、何も見えませんね。

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 手前と左側の壁際に、仕切りなしの洗い場が5か所+3か所の計8か所あり、ボディソープはありますが、シャンプーはありません。

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 洗面器・洗い椅子は、隅に積まれていますので、各自持っていき、使用後は元に戻すのが、暗黙の決まりになっています。
 右の窓側に扇形の大浴槽があり、奥にはジャグジー、ジェット付きです。大きなガラス窓で、明るく解放感はあるのですが、窓の外には塀があり、景色は見えません。
 市水の沸かし湯ですので循環式ですが、浴槽は広々していますので、ゆったりと湯を楽しむことができます。
 湯温は41℃程度で、スーパー銭湯ほどのカルキ臭はありませんので、気持ち良く湯に浸かりました。
 私が最後の客でしたので、後片付けをする係員にせかされるように浴室を後にしました。

 湯上がりには大広間やロビーで寛ぐことができますが、広間は地元の老人方で賑わっていますので、入り込む勇気はありません。

 新潟市街から近い場所で、安価に、天然温泉を含めて2つの浴室を楽しめるというのは魅力的です。新潟市民は安価に利用できますし、60歳以上でしたら100円ですので、利用しない手はありません。
 ただし、浴室の利用は16時までであり、地元の老人方の中に躊躇なく入っていく心構えが必要です。割り切って利用しましょう。