雪の平野を眺めながら掛け流しを楽しむ 「喜芳」

 長岡市の三島地区にある温泉施設の「喜芳」は、正式には「越後長岡 花みずき温泉 旬食・ゆ処・宿 喜芳」といいます。
 2002年に温泉が掘削され、源泉垂れ流し時代から訪問させていただき、2004年11月27日のオープン以降も、その変遷を見守ってきました。このブログの過去記事を検索してご覧いただければと思います。
 昨年開業20周年を迎えましたが、それに合わせて屋根の改修工事が行われ、9月2日~10月26日まで長期に休館しました。
 屋根の改修ということでしたが、館内や浴室部分がどうなったのか気になっていました。行こうと思いながらも、訪問する機会がなく、遅ればせながら先日行ってきました。

 先週の土曜日、長岡に行く用事があり、せっかくの長岡遠征でしたので、早めに出かけて、昼食を兼ねて「喜芳」に寄って来ました。前回の訪問は2024年3月でしたので、10か月ぶりでした。
 いつものように、国道116号線で分水まで行き、大河津分水の橋を渡ってすぐに左折し、信濃川沿いを走って与板入りし、山側の道を走って三島に入りました。

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 駐車場に車をとめて、まずは玄関前のカエルに挨拶。

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 振り返って玄関へ。

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 入って左側の下足箱に靴を入れ、受付へむかいます。

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 料金は、2024年7月3日より値上げされて、平日:大人850円、子供400円、土日祝日:大人980円、子供500円。17時以降は、平日:大人650円、子供350円、土日祝日:大人850円、子供450円。タオルセットは200円、館内着は200円です。営業時間は、平日10:00~21:30、土日祝日10:00~22:00です。
 私は、例によって、「温パラ」の割引クーポンを利用して、100円引きで入館させていただきました。

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 奥に進んで、エレベーターで2階の浴室へ。階段は段数が多いので、エレベーターの利用がお勧めです。

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 脱衣場には鍵付きロッカーのほか、脱衣籠がありますが、高級温泉旅館風の豪華な洗面台・化粧台を含めて、これまでと不変でした。

 浴室に入りますと、右にドライサウナと水風呂、掛け湯があり、その先の通路の左右に洗い場があります。仕切り付き・切りなし含めて、8ヵ所+7ヵ所の計15ヵ所あり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。洗い場のうち、右側の1ヵ所は、ReFaの高級シャワーヘッドです。
 奥に、ジャグジー風呂と大浴槽があります。2面ガラス張りで、明るく開放感があり、青空の下に、雪に覆われた田園地帯が、日が当たって輝いていました。
 これらの設備を見回しても、従来と変わりはありませんでしたが、天井部分や壁は塗り直されているようでした。

 洗身して、内湯浴槽に浸かりました。ガラス壁を通して差し込む日光が眩しく感じられました。外には雪に覆われた平野が見えて、清々しく感じられました。
 浴槽内の右側に、上にカエルが鎮座している注湯口があり、湯が注がれていますが、循環式でオーバーフローはありません。淡黄色透明の湯は、無味無臭で、軽いツルスベ感がある柔らかな湯です。湯温はぬるめでしたが、その分ゆったりと湯に浸かりました。

 内湯を楽しんだ後は、露天風呂に移動。大きな岩露天風呂、小さな陶器風呂、そして階段を上ったところにある檜露天風呂とも、これまでと変わりないようでした。柵や階段の手すりがきれいになったように感じましたが、どうでしょうか。
 露天風呂からは、晴れ渡った空の下に、雪に覆われた平野が見え、遠くの山並みもきれいに一望されて、開放感を感じました。
 加熱・循環式の岩露天風呂は、42℃程度の適温で、ほかに客もなく、大きな浴槽を独り占めで楽しみました。
 小さな陶器風呂は、温泉ではなく、市水の沸かし湯であり、用はありませんので、今回はパスしました。
 檜風呂は、2022年秋に老朽化により更新されたばかりなのですが、すでに経年変化を感じました。
 注湯口から注がれた湯は、浴槽の縁からオーバーフローされて、掛け流されています。源泉は加熱されていますが、38~39℃程度のぬる湯で、鮮度の高さを感じます。ツルスベ感があって、滑りやすいので注意しましょう。
 タイミング良く、先客が出て行った後は独り占めとなり、掛け流しの湯を存分に楽しみ、湯と対話し、贅沢な時間を過ごしました。

 温泉を楽しんだほか、空いていましたので、ドライサウナも楽しみました。サウナ室にはテレビのほか、窓があり、平野を見渡すことができます。
 室温は102℃を表示していましたが、天井に近いところに温度計がありましたので、座面部分は90℃程度かと思われました。

 温泉に、サウナと、たっぷりと楽しんで、浴室を後にしました。

 令和3年11月1日付けの分析表によりますと、源泉名は、花みずき温泉。泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)。源泉温度 31.8℃(気温23℃)、使用位置 42.0℃(浴槽での温度)、湧出量 42L/分(掘削自噴)、PH 8.0 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1>、Na 42.9、K 16.9、NH4 5.5、Mg 2.9、Ca 4.4、Sr 0.1>、Ba 0.1>、Al 0.1>、Mn 0.2、Fe(II) 0.8、Fe(III) 0.1>、F 0.2、Cl 15.6、Br 0.2>、I 0.2、HS 0.1>、S 0.1>、S2O3 0.7、HSO4 5.0>、SO4 5.0>、HCO3 158.3、CO3 0.5、メタケイ酸 135.5、メタホウ酸 0.1>、メタ亜ヒ酸 0.1>、遊離CO2 6.7、遊離H2S 0.1> など、ガス性除く成分総計は384.6mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つため加温、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用(檜露天風呂は放流式)、衛生管理のため塩素系薬剤を使用とのことです。
 浴槽の湯は、淡黄色透明で、ほとんど無味無臭ですが、ごくわずかのツルスベ感を感じます。
 単純温泉の中でも濃度的には薄い源泉で、成分表だけ見ますと、特徴のない源泉を想像してしまいますが、決して単純な温泉ではなく、柔らかな浴感がある魅力的な泉質です。特に檜風呂は
掛け流しされていますので、その魅力を十分に味わえます。

 1階に降りて、食事処で昼食をいただきました。

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 今回は、塩チャーシュー麺(税込990円)です。あっさりを期待しましたが、結構濃厚な味でした。

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 3階に上がってひと休み。ベランダから平野が一望されました。

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 奥にごろ寝処、リラックスルームがありますが、リラックスルームの安楽椅子で、TVを見ながら休息しました。

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 その後は1階に降りて、休憩所でもうひと休み。

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 庭の落ち着いた眺めが好きです。

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 しばし休息をとって退館し、次の予定の場所へと車を進めました。

 コンパクトな施設ながらも、公共日帰り温泉とは一線を画した高級感があり、仮眠室やリラックスルームもあり、食事処も充実しています。値段分は十分に楽しめるおすすめの温泉施設です。