安さで選べば 岩室温泉「よりなれ」

 1月下旬の休日、どこに行こうか思案しましたが、遠出する元気はなく、安くて便利な日帰り温泉ということで、今回は岩室温泉の「よりなれ」に行ってきました。2024年9月以来で、4か月ぶりでした。

 ここは合併前の岩室村の老人憩いの家「静閑荘」が前身で、1995年に浴室部分が「遊雁の湯 よりなれ」として日帰り温泉の営業を開始しました。
 当時は「だいろの湯」はなく、近隣では「じょんのび館」がある程度でしたので、しばしば利用させていただきました。
 2005年3月21日に、岩室村が新潟市に編入合併してからは、新潟市の施設となり「新潟市岩室健康増進センター よりなれ」となりました。
 かつては食堂営業もしていましたが、なくなって久しくなります。コンパクトな施設で、設備的にも他施設に劣りますが、公共日帰り温泉施設として、安価に利用できるのが最大の魅力です。

 岩室温泉街を抜けて「だいろの湯」方面に進み、岩室リハビリテーション病院の手前を右折し、クネクネ坂道を上って行きますと、坂の途中に「よりなれ」があります。
 
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 駐車場に車をとめて玄関へ。

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 玄関を入って、左側の下足箱に靴を入れ、右の受付で鍵とともに料金を払います。
 入館料は、タオルセット付で、大人500円、小人300円、市内65歳以上300円と格安です。11枚で5000円(65歳以上3000円)の回数券もあります
 公共施設だけあって、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を持っている人は、利用料金が免除され、重度障害者の介助者も1人につき1人が免除になります。
 なお、今年の4月から、新潟市の公共施設の利用料金が一斉に値上げされますが、ここも例外ではなく、大人650円、小人390円、市内65歳以上390円に値上げされます。この社会情勢では仕方ないとは思いますが、やはり値上げは残念ですね。

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 タオルセットとロッカーキーを受け取って、玄関のすぐ前にある浴室に行きました。右が女湯、左が男湯です。
 右の浴室は檜造りの「木風呂」、左の浴室は大理石風造りの「岩風呂」で、浴槽の形や大きさ、配置が異なり、見える景色も違いますので、印象はかなり違います。
 以前は男女交互で使用されていましたが、コロナ禍とともに男女が固定され、コロナ後もそのまま継続されています。

 脱衣場に入りますと、右にスチール製の脱衣ロッカーが並び、左に洗面台があり、無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、正面の窓際に大浴槽、その左に細長い小浴槽が2つ並び、外側はガラス張りになっていて、外の露天風呂が見渡せます。
 手前の壁際に仕切りなしの洗い場が7か所並んでおり、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。

 洗身して内湯に浸かりました。
2つの浴槽の間に注湯口があり、湯が注がれていますが、循環式でオーバーフローはありません。温泉ではなく、市水の沸かし湯ですので、カルキ臭がきつく感じられます。

 大浴槽に浸かり、カルキ臭に耐えながら外を眺めていますと、それなりにリラックスはできました。細長い小浴槽は狭くてリラックスしにくいです。

 露天風呂が空いたタイミングを見計らって、露天風呂に移動。4人位で満員ですので、空き具合を見て利用しましょう。

 岩造りの浴槽には、いつもは白濁した湯なのですが、今回はやや緑がかった湯が満ちていました。注湯口から注がれた加熱源泉は、浴槽の縁からオーバーフローされています。
 湯温は41~42℃程度ですが、注湯口付近は高めですので、その場所でじっくりと浸かっていましたら良く温まりました。

 自己責任でなめますと、塩味がありますが
、かなり加水されていることが想像されました。もちろん、岩室温泉が売り出している「黒湯」の面影はありません。

 タイミング良く、露天風呂は独り占め。温まった後は、外にあるデッキチェアで景色を見ながらクールダウン。

 再度湯に浸かり、癒しの時間を過ごしました。狭い浴室、狭い浴槽、そして、源泉は露天風呂だけというのは残念ですが、空いているタイミングで楽しみましょう。
混雑時は寛げませんが、今回は空いていてありがたかったです。 

 前回と同様に、今回も令和4年6月付の3号源泉の分析書と、令和5年7月付の4号源泉の分析書が、上下に並んで掲示されていました。
 
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 令和4年6月14日付の分析書によりますと、源泉名は、岩室3号源泉。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(高張性弱アルカリ性温泉)、源泉温度 40.8℃(気温24℃)、使用位置 42℃、PH 7.9 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 2744、K 41.2、NH4 14.8、Mg 12.7、Ca 1253、Sr 11.2、Ba 3.8、Al 0.0、Mn 1.4、Fe(II) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.9、Cl 6949、Br 24.0、I 3.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 2.8、HSO4 0.0、S2O3 4.6、SO4 4.5、BO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 0.0、HCO3 52.5、CO3 0.0、メタケイ酸 45.9、メタホウ酸 57.8、遊離CO2 1.4、遊離H2S 0.5 など、ガス性除く成分総計は11228mg/kgです。
 井戸元で源泉供給の不足を補うため加水、施設で温度調整のため加水、入浴に適した温度度を保つため加温、衛生管理のため循環装置のみ使用、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施、入浴剤の使用なし とのことです。

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令和5年7月27日付の分析書によりますと、源泉名は、岩室4号源泉。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(高張性 弱アルカリ性 高温泉)、源泉温度 54.3℃(気温32℃)、使用位置 42℃、PH 8.28 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.5、Na 3035、K 37.8、NH4 3.8、Mg 7.7、Ca 1015、Sr 10.5、Ba 2.5、Mn 0.3、Fe(II) 0.2、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.6、Cl 6391、Br 21.7、I 2.3、OH 0.0、HS 45.4、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 36.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 0.0、HCO3 136.0、CO3 1.8、メタケイ酸 44.5、メタホウ酸 58.9、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 2.6、遊離H2S 5.8 など、ガス性除く成分総計は10880mg/kgです。
 入浴に適した温度度を保つため加水、入浴に適した温度を保つため加温、衛生管理のため循環装置のみ使用、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施、入浴剤の使用なし とのことです。

 この岩室3号源泉と4号源泉が、実際に浴槽内でどのように使用されているのかは不明です。いずれにしましても、源泉は加水・加温・循環されていますが、ろ過装置は使用していないとのことです。 
 しかし、黒い湯花はありませんから、どこかでろ過されているとは思うのですけれど。循環の過程ではろ過していないということなんでしょう。

 湯上りには、2階に上がってのどを潤しました。

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 広間で休憩しました。

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 窓からは角田山が見渡せました。奥の窓からは多宝山の山頂が一望できました。

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 いつもは夕方~夜間に来ることが多くて、景色は楽しめませんが、昼間に来ますと、高台からの景色を楽しめて良いですね。

 しばし休息して退館しました。設備的には劣りますが、気兼ねなく安価に利用できるのが何よりの魅力です。4月からの値上げは残念ですが、他館に比べれば安価ですので、これからも利用させていただくことになりましょう。