これぞ新潟の温泉遺産 「新津温泉」
新潟市内には、温泉が多数ありますが、全国に誇りうる名湯して、 新津温泉を忘れることはできません。 全国のアブラ臭ファンの聖地として崇められている温泉です。
あまりにも個性的過ぎて、一般人には敷居が高いですが、 このブログを読んで下さるような風流人なら、 その魅力を理解いただけるものと思います。
道路から小道を下りて行きます。
中に入りますと、正面に鏡、その横に脱衣棚、その左にトイレ、 奥にレトロなタイル張りの流し台があります。
脱衣場は無人でしたが、 ガラス戸越しに見える浴槽には先客が4人おられました。
浴室は狭く、小判型の浴槽がひとつあるのみです。 注湯口から注がれた源泉は、 反対側の浴槽の縁から掛け流されています。
洗い場としては、壁に蛇口があるのみで、 石鹸類は全くありません。
ガラス戸を開けて、浴室に入りますと、アフラ臭がプーンと香り、 うっとりとします。
洗面器で湯をすくって掛け湯をし、先客に挨拶して、 隙間に入り込んで湯に浸からせていただきました。
無色透明ながら、強烈なアブラ臭を発し、自己責任でなめますと、 意外にも甘味を感じます。後から喉が渇きますので、 飲んだりしませんように。
湯温は40℃程度でぬるめで、先客の皆さんは、 じっと目を閉じて、ゆっくりと浸かっておられました。
私も目を閉じて、むせ返るアブラ臭にまみれながら、 湯と対話するうちに、ジトーと汗が吹き出てきました。
頭がボーとしてきたところで浴槽を出て、縁でひと休み。再び浸かり、アブラ漬けになったところで浴室を後にしました。
2019年8月27日付の分析書によりますと、源泉名は、新津温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(高張性弱アルカリ性高温泉)。源泉温度 43.8℃。湧出量 20L/分(掘削自噴)。PH 7.6。
前回も書きましたように、よう化物イオンを13.7mg/kg含み、よう素泉の基準を満たしますので、正しい泉質名は、含よう素ーナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉となります。
主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.5、Na 4765、K 54.0、NH4 51.2、Mg 7.6、Ca 25.8、Sr 1.9、Ba 0.1、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.8、Cl 5410、Br 32.1、I 13.7、NO2 0.0、NO3 0.5、HS 1.3、HSO4 0.0、S2O3 0.5、SO4 10.3、HPO4 0.0、HCO3 2953、CO3 0.0、メタケイ酸 147.2、メタホウ酸 411.9、遊離CO2 124.4、遊離H2S 0.4、など、ガス性除く成分総計は13887mg/kgです。
冬期のみ入浴に適した温度にするため、加温した上水道水を加えている。循環利用はしていない。入浴剤は使用していない。毎日換水し塩素系消毒剤を使用。浴槽での温度は42.3℃。との掲示がありました。
冬期のみ入浴に適した温度にするため、加温した上水道水を加えている。循環利用はしていない。入浴剤は使用していない。毎日換水し塩素系消毒剤を使用。浴槽での温度は42.3℃。との掲示がありました。
前回も書きましたように、よう化物イオンを13.7mg/kg含み、よう素泉の基準を満たしますので、正しい泉質名は、含よう素ーナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉となります。
退館して帰路につきましたが、 身体に染み付いたアブラ臭が車内に充満し、 さすがの私でも臭い過ぎに感じるほどでした。
この強烈な個性は、全国に誇るべきものであり、 新潟の温泉遺産として、 末長く維持していっていただきたいですね。
通常の温泉にもの足りない方にはお勧めしますが、 それなりの覚悟を持ってご利用ください。