今年最初の... 安田温泉「やすらぎ」

 阿賀野市の安田温泉「やすらぎ」は、職場から近いこともあり、2004年8月13日のオープン以来、私の温泉ライフに欠かせない温泉のひとつであり、その変遷とともに歩んできました。
 しかし今年になってまだ利用しておらず、先日ようやく立ち寄り湯してきました。昨年12月に「温パラ」で無料入浴して以来でしたので、3か月ぶりでした。

 3月も下旬になろうとする某日、気温が低く、冷たい雨が降る中に「やすらぎ」に到着しました。平日夜ということで、駐車場は空いていました。
 いかにもというような、提灯が並ぶ赤い色使いの玄関が、B級の空気感を醸し出し、いい味を出しています。

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 玄関を入りますと、右の下足箱の上の招き猫が迎えてくれます。

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 サイズが小さい下足箱に靴を入れ、受付前の券売機で入浴券を購入します。

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 料金は昨年10月から50円値上げされて、大人は、タオル付 1050円、タオルなし 900円、子供(3歳~小学生)は、タオル付 600円、タオルなし 450円です。平日の17時以降は、大人は、タオル付 850円、タオルなし 700円です。
 券売機が2台並んでいますが、右側の従来型の券売機は、お金を入れて購入ボタンを押すだけで良いのですが、左の最新鋭の券売機は、何回もの手順を踏まないと購入できず、非常に不便です。
 タッチパネルのボタン配置も人間工学的に大きな問題があります。縦長の大きな画面ですので、視線を上下に大きく移動して操作しなければなりません。この機種は他施設でも見かけますが、一度採用して止めた施設もあります。開発者の配慮のなさ・無能さを嘆かざるを得ません。

 と不満を感じながら受付し、ロッカーキーを受け取って奥の浴室へ。

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 右には、八百屋のように農産物が並ぶ売店、食事の券売機と受付があり、左には食事処の大きな広間があり、夕食を楽しむ宿泊客らしきグループも含め、賑わっていました。
 平日とはいえ、春休み期間のためか家族連れも多く見かけ、通常より多くの客がおられました。
 楽しげに食事やビールを楽しんでおられる人たちを恨めしく眺めながら最奥の浴室へ行き、入り口にある観音様に心の中でお祈りして、脱衣場に入りました。

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 脱衣場には、県内でも最多級と思われる496個ものスチールロッカーが整然と並んでいます。

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 合わせ鏡状の洗面・化粧台には無料のドライヤーがあります。

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 では、入浴を楽しみましょう。

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 浴室に入りますと、左手に仕切り付きの洗い場が並び、ボディソープ、リンスインシャンプーがあります。
 右にはドライサウナ、小さな水風呂、大きい水風呂、寝湯、大浴槽、小浴槽が並んでいます。
 浴室は通常の平日より混雑していました。春休みのためか、若者のグループが多いようで、私が最高齢の部類に思われました。

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 洗身して、大浴槽に浸かりました。湯温計は42.5℃を表示し、いつもより湯温は高く、温まりが良かったです。
 内湯は地下水の沸かし湯ですが、い
つもは気にならないカルキ臭が強く感じられました。オーバーフローはなく、湯面に浮遊物もあり、湯のコンディションは通常より良くないように感じました。
 小浴槽は、高温が魅力なのですが、最近はぬるいことが多く、この日も大浴槽と同じ温度でがっかりしました。ただし、オーバーフローがあって、大浴槽より気持ち良く着かれました。
 寝湯浴槽は先客が占拠しておられましたので、今回は利用しませんでした。

 サウナは、若いサウナーの皆さんで混雑していましたので利用しませんでした。水風呂で大の字になって浮かび、他の客を排除するようにしている若者や、大きな声で談笑していたりと、ちょっと不快な光景もありました。

 そんな内湯を出て露天風呂へ。

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 ここは空いていて、静かな空気が流れていました。寒い日でしたので、外側の可動式の仕切りが閉じられていました。
 中央の柱にあるパイプから非加熱源泉が注がれ、加熱源泉と混合されて、3つの浴槽に分流されています。

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 各浴槽には温度差があり、小浴槽が高温、大浴槽はぬる湯、中浴槽はその中間という設定だったのですが、最近は小浴槽はぬるめで、中浴槽が高温になっています。

 各浴槽に順に浸かりましたが、やはり一番高温の中浴槽がお気に入りです。中央の柱から供給される源泉量も、この中浴槽が最多です。
 いつもと違い、湯面に泡が浮いていました。これまでこのようなことはなく、どうしたのでしょうね。

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 湯は、茶褐色に混濁したり、透明だったりといろいろですが、この日は茶褐色透明で、茶褐色の湯花の浮遊・沈殿がありました。
 最初、湯温は低く、湯温計はなんと38.5℃を表示していて、がっかりだったのですが、加熱源泉が次第に供給されるようになって、湯温が徐々に上がってきました。
 浴槽の底はぬるかったですが、次第に湯面は高温となりました。湯温計のプローブが浴槽の底近くにあり、表示された数字以上に温まりは良かったです。
 湯温計は39℃台で上下していましたが、私が浴槽の湯を攪拌しますと湯温計の数字が上がって40℃台にアップしました。
 この間30分ほど浸かって、無念無想。始めにおられた客は出ていかれ、いつしか露天風呂は私だけの独占状態になっていました。
 湯温がどこまで上がるか見極めようと頑張りましたが、強塩泉は侮れず、低めの温度でも身体の心から温まり、湯温計が41.5℃を表示したところで浴槽を出ました。
 その後はぬる湯の大浴槽に移動して、独り占めの浴槽に浸かりながら、湯との対話を続けました。

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 湯温は38℃程度でしょうか。このぬるい強塩泉を楽しめるのが「やすらぎ」の魅力です。そう言えば「天神の湯」もぬる湯が良かったなあ、などと思い巡らしながら湯との対話を楽しみました。

 2024年4月9日付の最新の分析書によりますと、源泉名は、安田温泉。泉質は、含よう素ーナトリウムー塩化物強塩冷鉱泉(高張性中性冷鉱泉)。源泉温度 19.9℃(気温11℃)、湧出量 105L/分(動力揚湯)、PH 6.8。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、LI 0.7、Na 7346、K 423.7、NH4 460.4、Mg 119.4、Ca 248.0、Sr 2.7、Ba 1.3、Al 0.0、Mn 0.1、Fe(II) 2.5、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.0、Cl 12350、Br 84.6、I 34.1、NO2 0.0、NO3 3.3、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 15.0、HPO4 0.3、HCO3 1556、CO3 0.0、メタケイ酸 93.2、メタホウ酸 6.4、遊離CO2 413.7、H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は22748mg/kgです。

 源泉温度が低い冷鉱泉ですので、加熱源泉が循環使用されていますが、非加熱源泉が注がれ、その分はオーバーフローされています。
 以前は混濁して浮遊物・沈殿物が多かったのですが、最近は透明感のある湯になっています。でも、なめれば塩辛く、アンモニア臭・よう素臭が感じられる個性的な湯です。遊離CO2も多いのですが、加熱循環されたためか、残念ながら人工炭酸泉のようなアワアワ感は感じられません。

 内湯で温まり直して、たっぷりと入浴を楽しみ、浴室を後にしました。

 湯上がりにはこれ。

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 水が常温水と冷水の2種類というのは、他所では見たことがありません。

 浴室前の休憩所で、たくさんのコミックに囲まれてひと休み。

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 夜も更けたところで退館しました。

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 玄関前の座敷童に挨拶して帰路に着きました。瓦ロードを通って国道49号線に出て、束の間の楽園から、現実の世界へと戻りました。