値上げの前にもう一度 緒立温泉「老人福祉センター 黒埼荘」

 以前からご紹介していますように、2024年4月より、新潟市内の公共施設の利用料金が一斉に値上げされます。
 これに伴い公共の温泉施設・温浴施設も値上げされ、老人憩いの家や老人福祉センターの利用料金も値上げされます。
 これら老人福祉施設の浴室は、新潟市民の60歳以上は100円で利用できるのが魅力ですが、4月からは120円になります。

 数多い新潟市内の公共温浴施設の中で、天然温泉を楽しめるのは、西蒲区の「新潟市岩室健康増進センター よりなれ」、秋葉区の「小須戸温泉健康センター 花の湯館」、そして西区の「老人福祉センター 黒埼荘」です。
 このうち「よりなれ」は、タオルセット付きで大人500円、小人300円、市内65歳以上300円で、「花の湯館」は、タオルなしで大人600円、小人300円ですが、「黒埼荘」は、タオルなしで、大人は市外450円、市内250円、小中学生は120円で、市内60歳以上は100円という低料金で利用できます。
 「黒埼荘」は老人福祉センターではありますが、一般人の利用が可能であり、新潟市民は安価に利用できますので、意外な穴場とも言えます。

 ということで、新潟市に市民税をたっぷり払っている身としまして、少しでも恩恵を受けるために、ときどき利用させていただいているのですが、値上げ前に利用しておこうということで、春分の日の休日に行ってきました。

 休日は混雑していることが多く、駐車場に空きがなくて利用をあきらめることもあるのですが、このときは駐車場に空きがあり、予定通りに利用させていただきました。

 車をとめて玄関へ。

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 玄関の自動ドアが開きますと、赤い看板が出迎えてくれます。

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 玄関を入りますと、左に鍵なしの下足棚があるのですが、これまでなかった番号札が用意されていました、たしかに、私もどこに靴を入れたか忘れてしまったことがありましたので、いいアイデアだと思いました。

 右の受付前の券売機で入浴券を購入。受付の窓口があるのですが、担当職員がロビーに出てきていて、ロビーで手渡しするのが常になっています。券売機を使用せずに、100円玉を手渡ししたこともありました。
 4月からは市内の60歳以上は120円になりますので、小銭の用意が面倒になりそうですね。
 なお、一般利用は、大人は、市外450円が540円、市内250円が300円、小中学生120円が140円になります。

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 さて、ここにはロビーを挟んで、左側に緒立温泉を使用した浴室、右奥に市水の沸かし湯の浴室があり、両方を利用することができます。
 当然、両方を利用しない手はなく、まずは左手の温泉の浴室を利用することにしましょう。

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 狭い浴室ですので、混み合うとリラックスできないのですが、覗いてみましたらそれほどの混雑ではありませんでしたので利用することにしました。
 脱衣場には鍵付きスチールロッカーがありましので、空いている場所を自由に使用します。洗面台がありますが、ドライヤーはありません。

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 ここに趣深い掲示がありました。

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 掲示しなければならない深い事情があるんでしょうね。

 浴室に入りますと、もうもうとした湯気が立ちこめていました。左手に浴槽があり、仕切られた手前側の部分は使用されていません。
 右手の壁際に洗い場が7か所あり、ボディソープがありますが、シャンプーはありません。必要な人は持参しましょう。

 洗身して湯に浸かりました。笹濁りの湯は、わずかに芳香があり、軽いツルスベ感があります。加熱循環されており、オーバーフローはありません。
 先ほどの掲示を見た後には躊躇されましたが、自己責任でなめますと、軽い塩味がありました。
 湯温はいつもより高めで、42℃程度はありそうでした。浴槽内の加熱源泉注入場所で背中焙をしましたら、良く温まりました。
 ゆったりと湯に浸かり、湯と対話し、この温泉の歴史に思いを馳せるうちに、身体の芯から温まり、たっぷりと汗を流しました。

 浴室前に掲示されている平成30年1月16日付の分析書によりますと、源泉名は緒立温泉。泉質はナトリウム・塩化物温泉(低張性中性冷鉱泉)、源泉温度14.8℃(使用位置43.0℃)、湧出量56L/分(動力揚湯)です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 778.0、K 32.7、NH4 22.7、Mg 30.1、Ca 27.1、Sr 0.4、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.8、Fe(II) 7.3、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.1、Cl 1374、Br 4.8、I 3.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.0、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 4.0、HPO4 0.0、HCO3 463.8、CO3 0.0、メタケイ酸 54.3、メタホウ酸 0.0、遊離CO2 30.0、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は2764mg/kgです。
 加水なし、加温あり、循環ろ過装置使用あり、塩素系薬剤による消毒あり、入浴剤の使用なしとのことです。

 冷鉱泉ですので、加熱循環は避けられませんが、温泉としての味わいは十分に感じられます。新潟市の中心地に近い西区で、天然温泉を楽しめるというのはありがたいことです。

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 由緒ある緒立温泉の歴史については、以前のブログで紹介していますので、ご覧いただければ幸いです。

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 これでも十分満足なのですが、もうひとつの浴室を利用しない手はありません。右奥に移動して新館浴室を楽しみましょう。

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 本館浴室に比べれば広いのですが、それほどの広さではありませんので、混み合いますとリラックスできません。
 脱衣場には、鍵付きスチールロッカーのほかに、脱衣棚・脱衣籠があります。仕切られたところに洗面台がありますが、ドライヤーはありません。

 浴室に入りますと、右の窓側に扇形の浴槽があり、中央に注湯口があり、湯が注がれています。浴槽の奥はジャグジー、ジェット付きです。
 壁際に仕切りなしの洗い場が5か所+3か所で計8か所あります。ボディソープが置いてありますがシャンプーはありません。
 温泉ではなく、市水の沸かし湯ですが、スーパー銭湯ほどのカルキ臭はなく、気持ち良く入浴を楽しめます。
 ここもいつもより湯温が高めで、42℃程度あり、温まりは良かったです。洗い場は混雑していましたが、大きな浴槽は混雑もなく、ゆったりと入浴を楽しみました。

 浴室を出て、吹き出る汗を拭きながら、ロビーでひと休みしました。

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 大広間があって休憩できるのですが、ボッチの私は広間に入り込む勇気はなく、ロビーで十分です。汗が引いたところで、職員に見送られながら退館しました。

 安くて便利な「黒埼荘」です。4月から値上げされても、ときどき利用させていただきたいと思います。