あれ? 湯量が増えた露天風呂 「百花の里 城山温泉」

 新発田市の「新発田城カントリー倶楽部」の横にある日帰り温泉「百花の里 城山温泉」は、1998年12月23日のオープン以来のファンであり、その変遷を見守ってきました。
 この源泉は、当初はゴルフ場のクラブハウスの大浴場で使用されていました。私はゴルフをたしなみませんので、大浴場だけ利用して温泉を楽しませていただきました。
 その源泉を一般の人にも広く楽しんでもらおうと作られた温泉施設が「百花の里 城山温泉」であり、オープン日に駆け付けたことは言うまでもありません。以後ときどき利用させていただき、その変遷を見守ってきました。

 坂を上った高台にあり、広大な庭園には大きな池があり、滝も流れ落ちていて、風情のある落ち着いた雰囲気が魅力でしたが、残念ながらその後に池の水は抜かれて、普通の庭になってしまいました。
 そして、2016年には、湯量の節約のためかはわかりませんが、浴槽内の2か所に島状の部分が作られました。
 施設の老朽化も進み、洗い場や打たせ湯の故障が改善されず、見苦しい状況が続いたりもあります。
 しかし、加熱・循環の湯ながらも、トロトロ・ツルスベ感が強い炭酸水素塩泉は、湯上りのさっぱり感も気持ち良く、独特の個性を放っていました。アルカリ度が高く、県内でも最高レベルのツルスベ感が魅力でした。

 そのほかにもいろんなことがありましたが、2022年12月から入館料のほかに燃料調整費50円を徴収するようになりました。入館料の800円に加えて50円徴収され850円を払うことになりましたが、値上げという表現はしませんでした。
 2023年10月からドライヤーが有料化され、100円で5分のダイソンドライヤーになりました。
 2024年2月には、源泉ポンプのトラブルで沸かし湯営業となり、5月末にようやく源泉が復旧しました。
 2024年9月から料金が改定されて大人900円となり、意味不明の燃料調整費50円は廃止されました。
 しかし、2025年2月より、再び燃料調整費が復活し、今度は100円徴収されるようになりました。通常の入館料と合わせて、大人1000円を払うことになりましたが、今回もあくまで燃料調整費と称して、100円の値上げとは謳っていません。潔く値上げと言ってほしいですね。
 
 というように、いろんな変遷がありましたが、個人的に感じる最大の変化は、県内でも最高レベルにあったツルスベの湯が、軽いツルスベ感になってしまったことだと思います。
 浴槽の湯量が減って、露天風呂はかつての湯面から15cm以上も低くなって、寂しい状況になりました。
 こんな源泉の変化を危惧する投稿が掲示板にあり、現状が気になりましたので、1月末以来久しぶりに行ってきました。

 仕事を早めに終えて、国道290号線を進み、「城山温泉」へのアクセス道路を進みました。日は長くなり、正面には夕暮れの二王子岳の雄姿が見えました。

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 右折してクネクネ坂道を上って「城山温泉」に到着しました。

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 GW期間中ではありましたが、平日の夜ですので、駐車場は空いていて、木立の間から夕焼けの名残りが見えました。

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 では玄関へ。階段を上がって進みます。

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 中に入りますと、正面に受付、右に下足箱があります。

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 この下足箱は弥彦の「さくらの湯」と同様に小さいですね。

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 鍵とともに料金を払い、ロッカーキーを受け取ります。入館料は、大人900、小人600円で、これに燃料調整費100円が加算されます。タオルセットは150円、館内着は200円です。私は例によって「温パラ」のクーポンを利用して100円引きになり、900円で入館しました。
 営業時間は10時~21時で、20時が最終受付ですのでご注意ください。休館日は毎週木曜日ですが、公式サイトのカレンダーをご確認ください。

 この日は抽選会をやっていて、4等賞で、割引券をいただきました。

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 では、右奥の浴室に行きましょう。

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 浴室は男女交互に使用されますが、今回の男湯は、私が好きな奥の浴室でした。二つの浴室は左右対称の配置で、設備や基本構造は同じですが、奥の浴室は大きな庭園に面していて開放感があるのが魅力です。夜間は景色が見えないので関係ないですが・・。

 脱衣場には古くなった木製ロッカーが多数あり、狭苦しさを感じます。洗面台には悪名高い100円で5分のダイソンドライヤーが4台ありますが、故障で入れ替えがあったのか、色違いがありました。

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 ドライヤーを持参した人用の場所が用意されているのですが、今回初めて持参ドライヤーを使用している人に出会いました。常連さんなんでしょうね。

 浴室に入りますと、正面に掛け湯(かぶり湯)、その奥に仕切り付の洗い場が4か所、右の壁際に仕切り付の洗い場が9か所ありますが、そのうち3か所は使用できません。浴室の左側には打たせ湯が2か所ありますが、1か所は使用できません。もう何年もこのままですので、改修する予定はないんでしょうね。
 そして、左奥にコの字型の大浴槽があり、左側にはジェット付です。浴槽の中には2つ島が作られています。
 浴室の大きなガラス窓からは、庭園を見渡すことができて、開放感があります。これが奥の浴室の魅力です。

 まずは洗身しましょう。仕切り付きの洗い場には、業務用の安っぽいボディソープとリンスインシャンプーがあります。

 その後は内湯に浸かりました。ジェットの部分に先客が1人いただけで、ゆったりと湯に浸かることができました。
 隅の注湯口から大量の湯が注がれていますがオーバーフローはなく、循環湯であることが示されています。そのほか浴槽内に加熱源泉注入場所があります。
 無色透明の湯は、軽いカルキ臭があり、自己責任でなめますと、若干の薬味を感じます。軽いツルスベ感がありますが、往年のようなトロトロ・ツルスベとは隔たりを感じます。
 湯温は41℃程度でしたが、浴槽内加熱源泉注入場所ではかなり高温の湯が出ていましたので、背中炙りをして温まりました。

 その後は露天風呂へ移動しました。先客が1人いただけで、ここでもゆったりと湯を楽しむことができました。
 露天風呂は、十分な広さがあり、石作りで立派です。ここからも庭園を見渡せますが、日が暮れて景色は見えませんでした。
 この露天風呂に、これまでと大きな変化がありました。これまでは湯面が低く、1月末に来たときも、かつての湯面の跡の15cmほど下でしたが、今回は湯面が高く、本来の高さになっていました。
 注湯口から注がれた湯は、反対側の排湯口からオーバーフローされていました。掛け流しというわけではないのでしょうけれど、湯面が高いのは気持ちいいですね。
 ただし、浴槽内の湯は内湯より明らかに希薄であり、何度かなめてみましたが無味でした。ツルスベ感もほとんど感じられず、源泉の味わいは乏しく感じました。湯量が増えたのは良いのですが、その分希釈されているように思います。

 本当にそうなのかを確かめるために、内湯と露天風呂を何度も行き来して、五感を総動員して湯の性状を比較しましたが、やはり露天風呂は希薄であることは間違いありませんでした。
 自己責任で味を入念に比較しましたので、循環湯をかなり飲んでしまいました。皆さんはマネしないで下さいね。

 空いているタイミングを見て、サウナも楽しみました。室温は90℃。テレビを観ながらたっぷりと汗を流しました。

 内湯と露天風呂を十分に楽しみ、浴室を後にしました。

 令和5年11月5日付の分析書によりますと、源泉名は、城山温泉。泉質は、含硫黄ーナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩温泉(低張性アルカリ性低温泉)。源泉温度 28.5℃(気温16℃)、使用位置 42℃。PH 8.8。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1>、Na 707.4、K 1.3、NH4 0.7、Mg 0.8、Ca 0.7、Sr 0.1>、Ba 0.1>、Al 0.1>、Mn 0.1>、Fe(II) 0.1>、Fe(III) 0.1>、Cu 0.1>、F2.6、Cl 81.7、Br 0.2、I 0.2>、HS 3.5、S2 0.1>、S2O3 0.1>、HSO4 5.0>、SO4 386.6、HCO3 1004、CO3 38.1、メタケイ酸 20.1、メタホウ酸 2.7、メタ亜ヒ酸 0.1>、遊離CO2 2.1、遊離H2S 0.1> など、ガス性除く成分合計は 2369mg/kgです。
 入浴に適した温度に保つため加温、衛生管理のため循環ろ過装置を使用、衛生管理のため塩素系薬剤を使用、毎偶数月にレジオネラ属菌の検査を完全実施とのことです。
 硫化水素イオンが3.5mg/kgありますので、含硫黄泉に該当しますが、循環された浴槽の湯からは硫黄泉らしさは全く感じられません。

 この分析書の数字は、以前の分析時の値より下がっていることはなく、むしろ若干ながら増えていますが、浴槽の湯は以前感じられた県内最高レベルのツルスベ感がなくなり、源泉の持つ特徴が薄れてしまっています。
 源泉温度が低いので、加熱循環は必須ですが、炭酸水素イオンが1004mg/kgで pHが8.8という源泉の魅力が感じられないのが残念です。
 分析書には湧出量の記載がないほか、なぜか加水の有無についての記載がありませんでしたが、どうしたことでしょう。湧出量が少なくて、かなり加水しているのではないかと想像しますが、実際はどうでしょうか。

 今回の感想をまとめますと、湯量が少なくて残念であった露天風呂の湯量が増えて、当初の湯面に戻っていて、排湯口からのオーバーフローがあったのは良いのですが、湯はかなり希釈されていて、源泉の面影が失われていたのが残念でした。内湯のツルスベ感も軽度であり、往年のトロトロ・ツルスベの湯が懐かしく思われます。分析書通りの源泉を味わいたいですね。
 たまたまこの日のコンディションが悪かっただけかもしれませんので、今後も注視していきたいと思います。

 湯上りには、浴室前の休憩所でひと休み。

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 冷水をいただき、この原稿を書き始めていましたら、あっというまに時間が過ぎて、慌てて退館しました。

 外に出ますと、細い三日月と星がきれいでした。

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 穏やかな春の夜ですね。源泉の問題、燃料調整費の問題と、課題は多いですが、魅力ある温泉には違いないですので、今後も利用させていただきたいと思います。