たまには夕暮れの 「ごまどう湯っ多里館」

 先日の夕暮れ時に、田上町の湯田上温泉の外れにある日帰り温泉施設「ごまどう湯っ多里館」に行ってきました。前回行ったのは、雪が積もっていた2月でしたので、3か月ぶりなります。
 ここは、田上町が建設し、2001年4月21日にオープンした公共日帰り温泉です。オープン以来度々利用させていただき、その変遷を見守ってきました。このブログの過去記事を検索してご覧いただければ幸いです。

 国道403号線を南下。JR田上駅手前にあるファミリーマートの交差点を山側に進み、特別養護老人ホーム「あじさいの里」の先を右折して、坂道を上った先に「ごまどう湯っ多里館」があります。

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 この右側の高台にあるのですが、車は左側の駐車場にとめて、エレベーターで上に上がります。

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 エレベーターを降りて、長い通路を進みます。

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 その先に飲泉所があり、軽い硫化水素臭と硫黄味がする源泉が流されており、飲泉することができます。

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 その先に玄関があります。

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 玄関を入り、右にある下足箱に靴を入れ、券売機で入浴券を購入して受付しますと、下足箱の鍵と引き換え用の番号札が渡されます。
 料金は、大人700円(17時以降600円)、小人400円で、タオルセットは100円です。回数券(11枚)は、7000円(夜間専用6000円)です。
 営業時間は10時~21時で、最終受付は20時です。定休日は毎月第2火曜日で、祝日の場合は翌日になります。
 
 ゆるやかにカーブした廊下の途中に浴室があります。

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 右が「あじさいの湯」、左が「ごまどうの湯」で、男女交互に使用されます。左右対称の配置で、基本構成は同じですが、ジェットバスに若干の違いがあり、露天風呂のデザインに違いがあるほか、サウナが「あじさいの湯」は高温のドライサウナですが、「ごまどうの湯」はソルティサウナという違いがあります。

 脱衣場に入りますと、コイン返却式のロッカーがありますので、空いている場所を自由に使用します。
 洗面台・化粧台には、ピンク色のヘアブラシが置いてあるほか、2023年8月から導入された100円で5分のダイソン・ドライヤーが4台あり、持ち込みドライヤー用のコンセントも用意されています。
 脱衣場からは露天風呂へも直接出入りできるほか、2階に眺めが良い休憩場所が用意されています。

 浴室に入りますと、源泉100%のかけ湯、サウナ、水風呂、ジェットバス(ローリングバス、エステバス)があり、窓際に大浴槽、ぬる湯の小浴槽があります。
 洗い場は仕切り付きで、6か所+7か所で計13か所。ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

 洗身した後に、大きな窓越しに夕暮れの新潟平野を眺め、窓際にある大浴槽に浸かりました。
 無色透明無味の湯は、若干のカルキ臭を感じますが、軽いツルスベ感があります。湯温は41℃程度ですが、浴槽内の加熱源泉注入場所で温まりました。
 隅にある注湯口からは、循環湯の加熱源泉が注がれているほかに、非加熱源泉がチョロチョロと注がれ、この付近では硫化水素臭も感じられて、良い気分で湯に浸かることができました。
 隣の小浴槽は、湯温が39℃程度のぬる湯で、注湯口からは非加熱源泉が注がれていて、手にすくってなめますと、飲泉所と同じで、良い気分でした。

 内湯を楽しんだ後は、外に出て階段を降り、露天風呂に移動しました。ここからの眺めの良さは特筆すべきであり、眼前に広がる新潟平野、弥彦山~角田山の山並み、右には遠く新潟市外まで見渡せます。天気が良ければ、佐渡の山並みも一望されます。
 ただし、露天風呂の浴槽は、下に深く掘られたようになっており、段を降りて湯に浸かります。そのため、湯に浸かった状態では景色は見えません。

 露天風呂を楽しみ、内湯に戻りました。サウナは混雑していましたので、再び内湯を楽しみ、源泉100%の掛け湯をして浴室を後にしました。

 令和5年12月20日付の分析書によりますと、源泉名は、田上ごまどう温泉。泉質は、ナトリウム-塩化物泉。湧出量は、167L/分。源泉温度は、36.0℃です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1未満、Na 459.3、K 3.5、NH4 0.4、Mg 0.1未満、Ca 31.1、Sr 0.3、Ba 0.1未満、Al 0.1未満、Mn 0.1未満、Fe(II) 0.1未満、Fe(III) 0.1未満、Cu 0.1未満、F 1.7、Cl 616.0、Br 2.4、I 0.6、HS 0.8、S 0.1未満、HSO4 5.0未満、SO4 174.7、HCO3 52.5、CO3 2.5、メタケイ酸 46.4、メタホウ酸 7.8、メタ亜ヒ酸 0.1未満、遊離CO2 0.1、遊離H2S 0.1未満など、ガス性除く成分総計は1400mg/kgです。

 硫黄泉の基準は満たしませんが、硫黄分を含み、飲泉所では硫黄泉の味わいが感じられます。しかし、浴槽の湯は、加水・加熱・循環ろ過・塩素消毒されており、源泉の味わいが乏しくなっています。
 でも、浴槽の注湯口から、少量ながらも非加熱源泉が注がれ、源泉100%の上がり湯があるのは良いと思います。

 湯上がりには、浴室2階でクールダウンしました。

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 ここからの眺めは良いですね。

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 暮れゆく新潟平野を眺めていますと、心が落ち着きます。

 その後は奥の広間に移動。平日の夜は空いていて良いですね。

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 給茶器がありますが、緑茶のほか、ほうじ茶もあります。

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 お茶をいただきながら、しばし休息しました。

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 玄関ロビーの奥の窓からの眺めも好きです。

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 ネコの後ろ姿を眺めながら、ぼーっとしました。

 いつしか時間は過ぎ、すっかり暗くなったところで退館し、バイパスを通らないショートカットの道で家路に着きました。

 カルキ臭漂う循環湯ではありますが、飲泉所や源泉100%の上がり湯もありますので、源泉を味わうことはできます。
 それよりも、眺めの良さを評価すべきでしょう。新潟平野を一望できる眺めは近隣の温泉施設では味わえませんので、ここだけの楽しみです。

 休憩場所が各所にあり、食事処もあって、設備も充実しているのですが、休日は混み合って、入館待ちとなることがあります。それだけ人気があるということですね。
 入館料が700円で、夜間割引は600円という料金も手頃であり、循環湯にこだわらなければ、お勧めの温泉施設と言えましょう。