値段相応の満足感 「塩沢江戸川荘」温浴棟

 南魚沼市舞子にある「塩沢江戸川荘」は、名前から想像できますように、旧塩沢町の舞子地区に東京都江戸川区が区民向けの健康施設として建設し、1988年12月にオープンしました。あくまで江戸川区民向けの施設ということで、一般にはあまり知られていませんでした。

 この施設には宿泊者専用の浴室がありますが天然温泉ではなく、温泉が欲しいという区民の要望を受け、江戸川区は17億6千万円の巨費を投じて温浴棟を建設し、2024年10月19日(土)にオープンしました。
 3階建てで、1階にはフロント、カフェがあり、2階・3階に浴室があります。南魚沼市内の天然温泉を使用し、その温泉を使用した大浴槽や露天風呂のほか、人工炭酸泉、ジェットバス、電気風呂、水風呂付のサウナなど、8種類の風呂を楽しめるとのことでした。
 江戸川区民のほか、一般人も利用できるとのことで、行く機会を狙っていましたが、なかなか南魚沼まで遠征することができず、時間だけが過ぎていました。
 最近では珍しい新規開業施設があるというのに行かないというのは心残りであり、温泉サイトを運営してる身として恥ずかしく思い、先日漸く意を決して行ってまいりました。

 関越道・塩沢石打ICを降りて、右折し、関越道の下をくぐって左折して直進しますとこの看板があります。

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 この交差点を左折して、施設専用のアクセス道路を道なりに坂道を上って行きますと、高台に「塩沢江戸川荘」の建物が姿を現します。

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 玄関前の駐車場は宿泊者専用ですので、日帰り客は下の駐車場を利用します。

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 車をとめて階段を上がって玄関に向かいます。

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 右は従来からの宿泊棟で、その豪華な佇まいに驚きます。とても公共の保養所とは思えず、江戸川区のパワーと豊かさを感じます。宿泊者専用の駐車場には足立ナンバーの車が数台並んでいました。

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 左側の建物が昨年10月にオープンした温浴棟です。

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 高級感が漂う重厚そうな自動ドアを開けて玄関を入ります。

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 中に料金表と利用方法の看板が出ています。

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 さらに自動ドアを開けますと下足箱があり、鍵は自分で保管します。

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 その横に券売機がありますので、入浴券を購入し、右にある受付に提出します。料金は、江戸川区民・南魚沼市民は、大人1000円、小人400円、一般は、大人1400円、小人600円で、土日祝日・繁忙期は+200円になります。バスタオルレンタルは150円、フェイスタオル販売は150円です。
 営業時間は、11時~20時で、最終入館は19時30分です。定休日はありませんが、館内メンテナンスのための休館があります。

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 浴室は2階・3階にあり、2階が「つつじの湯」、3階が「かたくりの湯」という名前で、男女交互で使用されます。今回の男湯は3階の「かたくりの湯」でした。

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 当然3階の方が眺めは良いはずであり、ラッキーと感じました。

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 エレベーターで3階に上がりますと、自販機があるほか、左の狭い空間には2台の有料マッサージ椅子が無理に設置されていました。

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 これより内部は写真撮影できませんので、詳細は公式ホームページをご覧ください。

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 浴室内には先客が2人おられましたが、私と入れ代わりに出て行かれ、私が退室するまでの間、浴室は私だけの独り占めになりました。宿泊者が利用する前の時間で空いていたようです。

 脱衣場には鍵付きスチールロッカーが並んでいますので、空いている場所を自由に選びます。
 洗面台のほかに、ドライヤー付きの化粧台がずらりと並んでいて、豪華さを感じます。整髪料やローション類、カミソリ、櫛など、アメニティ類は高級温泉旅館並みに十分に揃っています。紙コップ式の飲水器もあります・

 浴室に入りますと、女性向きと思われるパックなどのアメニティ類が並んだ棚があります。
 その横に掛け湯、シャワーが2か所あります。右側に仕切り付きの洗い場が合計20か所あり、高級そうな容器に入ったボディソープ、シャンプー、コンディショナー、クレンジング等があります。
 左の窓際には、車椅子用スロープが付いた大浴槽、高濃度人工炭酸泉浴槽、ジェットバス、電気風呂・寝湯浴槽がズラリと並んでいます。右奥には水風呂とドライサウナがあります。
 各浴槽とも石造りですが、桧の枠で囲まれていて、落ち着いた雰囲気を醸し出していました。2階の浴室は木枠でなく、石枠で雰囲気が異なるようです。

 浴室入口に入浴用車椅子があり、これに乗ったまま大浴槽に浸かることができます。
 この大浴槽には無色透明無臭ながら若干の塩味がする温泉が使用されています。循環式でオーバーフローはありません。隅に木製の注湯口がありますが、常には湯は出ておらず、たまに非加熱源泉が注がれます。湯温は41.4℃と表示。温まりは良かったです。

 高濃度人工炭酸泉浴槽は、湯温は38.8℃とぬるめで、シュワシュワで気持ち良かったです。ジェットバスは41.2℃で、温泉ではありません。
 電気風呂浴槽も温泉ではありません。電気刺激は弱めで、「極楽湯 松崎店」のような強烈さはありませんので、一般向けと言えましょう。
 この電気風呂と繋がって寝湯が2人分あり、虹色に輝くきれいなタイル張りで豪華さを感じました。
 サウナは広く、15~20人くらいは収容できそうでした。ベージュ色のサウナストーンが積まれており、掛け水と柄杓が用意されていて、ロウリュすることができます。
 ロウリュしましたら、蒸気と熱気がサウナ室を満たし、独り占めの広いサウナ室で汗を流しました。
 水風呂は14.8℃を表示しており、かなり冷たく、サウナーの皆さんには喜ばれるでしょう。私には冷たすぎで、冷水シャワーでクールダウンしました。

 そして外に露天風呂があります。外といっても、建物内で、壁を取り払って露天風呂風にしただけというのが正しい表現でしょう。内湯同様の石造りで桧枠の大浴槽と壺湯が2つあります。
 この露天風呂大浴槽には温泉が使用されていますが、壺湯は温泉ではなく、カルキ臭を強く感じました。
 露天風呂の湯温は41.7℃と内湯を含めても一番高温でした。循環湯ではありますが、身体を浴槽に沈めますと、ザバーとオーバーフローして、掛け流し気分を味わえました。
 内湯大浴槽と同様に、無色透明無臭ながらも薄い塩味があり、ツルスベ感もあって、浴感は良好です。
 木製の注湯口がありますが、内湯同様に常には湯は出ておらず、間欠的に短時間だけ非加熱源泉が注がれます。

 温泉、人工炭酸泉、ジェットバス、電気風呂、寝湯と、多彩な浴槽を楽しみ、サウナも楽しんでリラックスできました。
 浴室を独占して気兼ねなく楽しみ,贅沢この上ない時間を過ごせました。これは泉質を論じることなどは無駄に思えるほどの大きな喜びでした。
 露天風呂横にあるデッキチェアはリクライニング式で、非常に気持ち良く休息できました。

 昨年10月にできたばかりですので、まだ真新しく高級感を感じます。それほど広くはありませんが、効率よく浴槽が配置されており、落ち着きがあって良い雰囲気です。
 内湯の窓や露天風呂からは南魚沼の田園地帯や町並みを眺望することができます。眺めの良さは抜群であり、非常に満足感の高い浴室です。

 ここで使用されている源泉は、知る人ぞ知る南魚沼市の江口設備工業が所有する源泉の「越後ゆきぐに温泉」です。従業員や地元の人の入浴用に自家利用したり、マンゴー(ゆきぐに温泉マンゴー「魚沼の妖精」)の栽培に使用されているほか、温泉スタンドもあり、他の温泉施設にも供給されています。
 一部の温泉マニアの方は密かに入浴させていただいており、情報をたくさんいただいていました。私も入浴したかったのですが行く機会がありませんでした。
 現地で一般向けの露天風呂付の入浴施設を建設中で、かなり出来上がっているとの情報があって楽しみにしていたのですが、その後に営業を始めたという情報がなく残念に思っていました。
 その源泉がここで使用されていると聞き、是非入浴しようと訪問する機会を狙っていたのでした。

 令和4年8月31日付の分析書が掲示されていました。源泉名は、越後ゆきぐに温泉。泉質は、ナトリウムー塩化物温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)。源泉温度 62.8℃(気温34℃、温泉スタンドで測定)、湧出量 456L/分(掘削自噴)、PH 8.0です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.5、Na 458、K 14.8、NH4 0.5、Mg 0.8、Ca 69.2、Sr 1.3、Ba 0.1、Al 0.1未満、Mn 0.2、Fe(II) 0.2、Fe(III) 0.1未満、Cu 0.1未満、F 1.9、Cl 805.8、Br 2.3、I 0.7、HS 0.4、S 0.1未満、S2O3 0.2、HSO4 5.0未満、SO4 52.6、HCO3 46.5、CO3 0.4、メタケイ酸 90.7、メタホウ酸 40.8、メタ亜ヒ酸 0.1未満、遊離CO2 0.8、遊離H2S 0.1未満 など、ガス性除く成分総計は1588mg/kgです。
 入浴に適した温度を保つため加水、入浴に適した温度を保つため加温、浴槽内の衛生環境を保つため循環ろ過を実施、衛生環境のため消毒剤を使用、入浴剤の使用なしとの掲示がありました。
 南魚沼市五郎丸にある江口設備工業所有の源泉の温泉スタンドからローリーして使用しているものと思いますので、加水・加熱・循環ろ過は仕方ないところでしょう。
 自己責任でなめた味から想像しますと、かなり加水はされれいるようですが、ツルスベ感が感じられて、温泉としての味わいは楽しめました。

 浴室を後にして、階段を下りて2階へ。ここの浴室は今回は女湯でした。この2階に宿泊棟からの通路が繋がっています。

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 1階に降りて、カフェでかき氷(300円)をいただきました。

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 入浴後には良いですね。豪華な館内に別れを告げて、暑さ厳しい外に出ますと、チェックインする足立ナンバーの車が何台も到着していました。混雑前に独占入浴を楽しめて良かったです。

 天然温泉とは言えローリーした温泉ですので、泉質的には優れているわけではありませんが、昨年秋に開業したばかりの施設で、浴室設備・備品類とも豪華さや高級感を感じ、1400円(休日1600円)という料金相応の満足感は得られます。ただし、日帰り客用の休憩所が用意されていないのは残念です。 

 コンパクトながらも豪華な施設であり、17億6千万円のお金がかかっていることが実感されます。このような施設を区民向けに建設する江戸川区の力には感銘を受けます。繁栄している首都の力は、衰退続く地方の身には眩しく思えてしまいます。
 南魚沼市と江戸川区は、この施設を通じて友好都市として交流を深めており、東京の皆さんにも新潟の自然や温泉を楽しんでいただきたいと思います。