暑い夏には冷泉風呂! 村杉温泉「長生館」

 連日の暑さで、7月というのに夏バテ状態です。とても温泉なしでは乗り越えられません。
 こんな夏の温泉としましては、熱い温泉に浸かって強制的に汗を流すのも一興ですが、冷たい温泉も良いですね。
 近くの温泉で冷泉風呂を楽しめる温泉はないかと思案しますと、村杉温泉の「長生館」が思い浮かびます。
 ということで、夕暮れどきに立ち寄り湯してきました。前回利用したのは4月で、夜桜を観ながらの入浴を楽しみましたが、あれから3か月が過ぎ、真夏を迎えています。

 国道290号線から静かな温泉街への細道を通って「長生館」に到着しました。

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 いつもは混雑している駐車場ですが、この日は空いていて、中央部分に駐車する車はありませんでした。

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 車を降りて、玄関へ。

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 中に入りますと、右手にフロントがあります。誰もいませんでしたので、呼び鈴を鳴らしますと、奥からお姉さんが出て来られました。

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 入浴料金は、大人1000円、小人600円で、タオル別です。フェイスタオルの販売は300円、バスタオルの貸し出しは300円です。
 6枚で5000円の回数券の販売があり、スタンプ6個で次回無料になるスタンプカードがあります。
 利用時間は、昼は11時~14時(15時まで入浴可)、夜は18時~20時(21時まで入浴可)です。
 毎月800円に割り引かれる期間がありますので、公式サイトで確認して利用されることをお勧めします。


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 今回私はスタンプカードのスタンプが6個たまっていましたので、無料で利用させていただきました。

 ロビーを右に見て、奥の浴室へと向かいました。
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 このロビーにはグランドピアノが置いてあり、毎月定期的にピアノ演奏会やジャズライブが開催されていますので、お好きな方は予定をご確認の上ご利用ください。

 奥の通路を渡った先に浴室があります。

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 左が女湯の「薬師の湯」、右が男湯の「長寿の湯」です。

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 この入り口で靴を抜いて中に入ります。

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 脱衣場に入りますと、非常にコンパクトで、脱衣棚に脱衣籠が並んでいます。手前には小上りがあり、小休止することができます。洗面台にはドライヤーがあります。

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 ガラス扉を開けて浴室に入りますと、内湯は非常にコンパクトで、窓際に大浴槽があるのみです。

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 壁際にシャワー2か所と仕切りなしの洗い場が5か所+3か所の計8か所あり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

 洗身して内湯に浸かりましたが、私が好きな注湯口前には先客がゆったりと浸かっておられましたので、さっと湯に浸かった後は、すぐに露天風呂に向かいました。

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 このトンネルを抜けた先に、露天風呂の空間が広がり、気分を盛り上げてくれて良い演出になっています。
 先客はおられず、完全に私だけの独り占めになり、浴槽も広い空間もすべてを独占し、贅沢な時間を過ごしました。

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 露天風呂の手前側半分には屋根があり、鯉のモニュメントが名物になっています。昔はもっと面白いモニュメントがあったのですが、覚えている人はおられますでしょうか。

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 前回は夜桜を見上げながらの花見風呂を楽しみましたが、今回は違った演出で楽しませてくれました。

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 竹で作られた明かりがたくさん灯っていて、風雅な雰囲気を醸し出していて、夏の暑さを忘れさせてくれるようでした。

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 深めの浴槽に浸かって無念無想。ちょっとカルキ臭を感じるのが残念ですが、湯量豊富な広い露天風呂に浸かっていますと、雑念が消えていきます。湯温は内湯より若干熱めに感じて41℃程度でしょうか。

 そして今日の話題であるお目当ての冷泉風呂です。

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 非加熱源泉が注がれていて、注がれた分は掛け流されています。冬に浸かるのは勇気がいりますが、暑いこの時期には気持ち良く浸かることができます。

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 加熱・循環されない生の村杉温泉を楽しむことができるのが最大の魅力です。無色透明無味無臭の特徴のない源泉ですが、これが生の源泉だと思いますと、大きな満足感を感じます。

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 この冷たい小浴槽と温かい大浴槽とを交互に楽しみ、デッキチェアでの休憩をはさみながら、贅沢な時間を過ごし、次の客が2人続けて来られたタイミングで内湯に戻りました。

 内湯浴槽には誰もおられず、内湯を独占入浴できました。隅の注湯口から注がれた加熱源泉は、反対側の浴槽の縁からオーバーフローされており、掛け流しになっています。

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 無色透明無味無臭の湯で、露天風呂ほどのカルキ臭は感じられませんでした。湯温は40℃位のぬるめですが、体の芯にズシーンと響いてくる感があり、湯のぬるさに反して、汗がジトーっと滲みでてきました。
 この感覚は露天風呂では決して感じられず、締め切られた内湯だけで感じられる効能です。気化したラドンの吸入効果でしょうか。
 一見すれば何の特徴もない源泉ですが、パワーを感じることができるのが村杉温泉の特徴です。

 内湯にゆったりと浸かっているうちに、次の客が浴槽に入って来られましたので、空気を読んで、混雑しないように浴室を後にしました。
 
 2021年8月31日付の分析書によりますと、源泉名は薬師乃湯3号井。泉質は単純弱放射能温泉(低張性アルカリ性低温泉)。源泉温度 25.3℃、湧出量 239L/分(掘削自噴)、PH 8.5です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.0、Na 50.3、K 1.4、NH4 0.3、Mg 0.3、Ca 31.2、Sr 0.3、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F0.6、Cl 16.6、Br 0.1、I 0.0、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 0.8、HSO4 0.0、S2O3 0.0、SO4 135.6、HPO4 0.1、HCO3 37.2、CO3 0.0、メタケイ酸 26.1、メタホウ酸 0.1、遊離CO2 0.2、遊離H2S 0.0、など、ガス性除く成分総計は301mg/kgです。そのほかに、ラドン(Rn)を 89.9 x10-10Ci/kg(24.7マッヘ単位)含みます。

 源泉供給方法に関しての記載によりますと、源泉は自噴しており、薬師の足湯付近の貯湯タンクにポンプを用いて圧送し、貯められた源泉は加圧ポンプを用いて、道路埋設配管で当館に供給(供給量は毎分20L)しているそうです。
 源泉は入浴に適した温度に加温して浴槽に供給、衛生管理と温泉資源の保護を目的として循環ろ過装置を使用、レジオネラ菌等の細菌繁殖防止のために塩素系薬剤による消毒処理を実施、加水処理や入浴剤の使用なし、とのことです。 
 源泉の利用に関する情報としては、源泉は入浴に適した温度に加温して浴槽に供給、衛生管理と温泉資源の保護を目的として循環ろ過装置を使用、レジオネラ菌等の細菌繁殖防止のために塩素系薬剤による消毒処理を実施、加水処理や入浴剤の使用なし、とのことです。

 以前は、ラドン(Rn)を744.2x10-10キュリー/kg(204.7マッヘ単位)含み、国内でも有数の放射能温泉でしたが、検査のたびに低下し、放射能泉の基準(50マッヘ単位)を下回って、24.7マッヘ単位の弱放射能温泉になりました。それでも体感上の効能には変化を感じません。
 なお、村杉温泉の効能に関しましては、2017年9月に阿賀野市内で開催された温泉学会で話させていただき、その概要は以前のブログにまとめてありますのでご覧ください。

 源泉温度が低いですので、加熱・循環は避けられませんが、露天風呂の小浴槽では非加熱源泉の掛け流しを楽しめるのは良いですね。
 夏の暑い時期には、この非加熱源泉による冷泉風呂が大変気持ち良く、大きな魅力だと思います。
 
 湯上りに、ロビーで小休憩。

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 いつものように、飲泉しましたが、モーターの故障とのことで、いつもの源泉供給口ではなく、源泉を入れた給水器が用意されていました。

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 ロビーから見える庭園には、露天風呂にあったものと同様の竹を使った明かりが灯されていました。

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 しばし眺めて退館しましたが、7月19日まで6枚で5000円の回数券が4000円で販売されており、フロントで買い求めている人がおられました。
 4000円で6回利用でき、スタンプカードを併用すれば1回分無料になりますから、4000円で7回利用できることになります。つまり1回当たり570円という計算になりますので、頻回に利用される方はお買い求めになることをお勧めします。

 静かな温泉街から国道290号線に出て、帰宅の途につきました。今回は非加熱源泉の冷泉風呂をたっぷりと楽しみました。
 夏の暑さはまだまだこれからです。先が思いやられますが、温泉の力を借りて乗り切りたいと思います。