雨が降っても月見風呂 小須戸温泉「花の湯館」

 新潟市秋葉区の最南部、田上町との境界に近い場所にある小須戸温泉「花の湯館」は、合併前の小須戸町が建設した公共日帰り温泉で、1995年4月のオープン以来のファンです。
 2015年4月に現在の指定管理者(関越サービス)になってから毎月多彩なイベントを開催して楽しませてくれます。
 10月最初の土曜日、近くに行く予定がありましたので、その予定が終わった後に、足を延ばして行ってきました。前回行ったのは8月初めでしたので、2か月ぶりでした。

 秋葉区の某所での予定を済ませ、小雨が降る中に旧国道403号線を南下。JR矢代田駅を過ぎてしばらく進み、田上町との境界部近くに案内板が出ていますので左折し、農村の小道を進んで案内板に従って右折。坂を少し上がりますと「花の湯館」に到着です。

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 わずかながら高台にありますので、駐車場からは稲刈りが終わった新潟平野と、弥彦山~角田山の山並みが一望できます。

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 車をとめて、赤く塗られた玄関へ。

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 中に入りますと、非常に狭い玄関ホールが迎えてくれます。

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 靴を脱いで、左手にある無駄に大きな下足箱に靴を入れ券売機で入浴券を購入します。

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 料金は、大人600円、小人300円、幼児無料で、タオルセットは250円、館内着は200円です。夜間割引はありませんが、平日の17時以降は、スタンプカードのポイントが2個割増しになります。営業時間は10時~21時で、休館日は毎月第2水曜日と12月31日です。

 下足箱の鍵とともに受付し、鍵と引き換え用の番号札を受け取って浴室に向かいます。受付のすぐ奥に階段があります。

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 この階段の左右に男女浴室があり、男女交互に使用されます。左右の浴室は、左右対称になっていて、若干の浴槽の形状の違いがあるものの基本構成は同じです。今回の男湯は、前回と同様に左側の浴室でした。

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 脱衣場には、壁際にコイン返却式のロッカーがありますので、空いている場所を使用します。そのほか脱衣場中央には脱衣棚・脱衣籠があり、ここも利用できます。洗面台には無料のドライヤーがあります。

 浴室に入りますと、
すぐ左に掛け湯、右にドライサウナ、壁際に仕切りなしの洗い場が8か所あり、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーが置いてありますが、青いクールタイプのシャンプーもありました。
 洗い場のシャワーヘッドは、1つおきにReFaの高級シャワーヘッドになっていて、合計4か所にあります。

 浴室の中央にはジャグジー付きの円形小浴槽があり、ここはぬるめに設定されています。
 この浴槽を取り囲むように大浴槽があり、一部にジェット付きです。隅にある注湯口からは湯は出ておらず、浴槽の底から噴き上がるように加熱源泉が供給されています。循環式ですので、オーバーフローはありません。

 洗身して浴槽に浸かりましたが、親子連れで混雑しており、小浴槽は子供向けの「積み木風呂」となっていて、木製の積み木が並んでいました。
 内湯は子供の遊び場と化していて、ゆったりと湯に浸かる雰囲気ではありませんでしたので、ガラス窓から露天風呂が空いているのを確認して、露天風呂に移動しました。

 外に出ますと、左手前側に露天風呂があるほか、水風呂用の塩ビ製のオケと、冷水シャワーがあります。
 この露天風呂は2~3人で満員になる非常に小さな浴槽で、浴槽の底から加熱源泉が注入されていますが、オーバーフローはありません。
 この小さな浴槽を独り占めしました。前回は真夏ということで、湯温はぬるく設定されていましたが、今回は通常の41~42℃の設定になっていました。
 毎度のことながら、カルキ臭が漂う無色透明な湯ですが、今回はツルスベ感がいつもより強く感じられて、浴感が良かったです。

 さて、今日の話題に移りましょう。この露天風呂に浸かりながら前方を見ますと、なんと黄色い満月のモニュメントとススキが飾られ、団子のお供えもありました。
 10月6日の中秋の名月にちなんでのものと思いますが、独り占めの露天風呂に浸かりながら月見風呂の気分を味わうことができました。
 天気が悪くて月見どころではない日でしたが、人工的なものではあるものの、月見を楽しみました。このアイデアには感服しました。

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 土曜ということで、洗い場には「りんご どろパック」も置いてあって、今回はいいタイミングで利用できて良かったです。
 サウナは混雑していましたので今回は利用せず、入浴のみを楽しみ、浴室を後にしました。

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 令和7年1月16日付の分析書によりますと、源泉名は大沢温泉。源泉温度 19.6℃(気温4℃)、使用位置 42.0℃、PH 8.32です。
 温泉法第2条別表のメタケイ酸の項により温泉に規定されますが、療養泉に該当しないため泉質名は付きません。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.6、Na 132.0、K 12.3、NH4 0.5、Mg 6.3、Ca 6.9、Sr 0.0、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 0.5、Cl 117.5、Br 0.5、I 0.4、OH 0.0、HS 0.0、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 1.0、NO2 0.0、NO3 0.7、HPO4 0.0、HCO3 235.5、CO3 12.6、メタケイ酸 114.4、メタホウ酸 3.0、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 1.3、遊離H2S 0.0 など、ガス性除く成分総計は644.4mg/kgです。
 加水なし、入浴に適した温度を保つため加温、衛生管理のため循環ろ過装置を使用、入浴剤等の使用なし(場合によっては使用あり)、衛生管理のため塩素系薬剤による消毒を実施とのことです。

 湯上りには2階へ。階段を上がりますとカフェがあります。

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 ここには寄らず右奥に進みますと休憩所があります。

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 広間でゆったりと思いましたが、親子連れで賑わっていました。

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 奥で小さくなって休んでいましたが、子供が騒ぎまわっていましたので、早々に退散しました。

 非常にコンパクトな施設ですが、カフェ(食堂)もありますし、休憩所もあります。泉質的優位性はありませんが、手軽に利用できる庶民的温泉施設としてはお勧めです。