イルミネーションに誘われて 「てまりの湯」

 年が変わってしまいましたが、12月の某日、某所への出張からの帰り道、「道の駅国上」の近くに差し掛かりましたら、イルミネーションがきれいに輝いており、思わず立ち寄ってしまいました。
 駐車場から高台にある「てまりの湯」を望みますと、行かないわけにはいかなくなり、久しぶりに立ち寄り湯をすることにしました。前回利用したのは7月でしたので、5か月ぶりでした。

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 道路沿いにもイルミネーションがあります。

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 「てまりの湯」もきれいなイルミネーションで飾られていました。

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 駐車場は混雑していましたが、お奥に空きを見つけて何とか駐車できました。

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 玄関を入りますと下足箱がありますので、靴を入れて入館します。

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 中に入りますと、雑然とした館内が迎えてくれます。

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 正面に受付があり、右奥には食事処があります。受付左横の券売機で入浴縁を購入します。

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 料金は、大人500円、小中学生300円で、17時以降は大人300円、小中学生100円、タオルセット200円、館内着セット300円です。通常料金の500円でも安いのですが、夜間割引300円は格安です。
 営業時間は10:00~21:00で、最終受付は20:30で、休館日は毎月第2・第4月曜日で、休日の場合は翌日です。

 いつからなのかはわかりませんが、利用方法に変更がありました。これまでは、下足箱の鍵と引き換え用の番号札が渡されれるだけでしたが、脱衣場のロッカーキーも渡され、帰りに受付に返すシステムになっていました。

 玄関ロビーのすぐ横に男湯、左奥に女湯があり、固定されています。

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 脱衣場に入りますと、木製のロッカーがズラリと並び、洗面台・化粧台には無料のドライヤーがあります。
 以前は空いているロッカーを探して使用していたのですが、ロッカーキーを受付で管理するようになりました。
 このロッカーの鍵は、いかにも壊れやすそうな仕様であり、注意して開け閉めしましょう。

 浴室に入りますとたくさんの客。左側に仕切り付きの洗い場、右にシャワー、掛け湯、ドライサウナ、増築された右奥にも洗い場があります。中央に円形の水風呂、そして正面の窓際に大浴槽があり、左側にジャグジー、ジェット付きです。

 左側にある洗い場(仕切り付きで6か所)は満員のため、右奥の洗い場(一部仕切り付で5か所)で洗身しました。洗い場にはボディソープ、シャンプー、コンディショナーがあります。

 大浴槽も混雑してましたが、右側に空きを見つけて入浴しました。浴槽には無色透明無味でカルキ臭漂う湯が満ちています。
 典型的な循環湯ではありますが、浴槽の右隅の注湯口からは、新源泉が注がれており、この源泉は分析書の記載通りの柔らかな硫黄泉です。
 この新源泉の注入分はオーバーフローされるはずなのですが、浴槽の大きさに比して注入量は多くはなく、オーバーフローされる浴槽の縁の流出口が、注入口のすぐ横にあるのは問題に感じます。

 湯温は
42℃程度で、よく温まりました。たまたま注湯口前が空いていましたので、ここに陣取って、新源泉をたっぷりと楽しみながら、癒しの時間を過ごしました。

 内湯を十分に楽しんだ後は、右奥にある露天風呂に移動しました。建物と塀との間の隙間に、無理矢理作ったような露天風呂で、ゆったり感はありません。
 狭い通路を通って露天風呂に行きますと、浴槽には3人の先客。隙間を見つけて湯に浸かりました。
 露天風呂も内湯同様の循環湯で、カルキ臭を感じます。湯温は内湯より低く、40~41℃程度とぬるめでした。
 右隅に注湯口がありますが、内湯とは違ってカルキ臭があり、新源泉ではなく循環湯のようでした。

 やがて先客が内湯にもどって行かれて、わずかな時間でしたが、浴槽を独り占めできました。
 ふと空を見上げましたら、星がきれいに輝いていました。したばかり見ていないで、たまには天を見上げるのもいいですね。
 次の客が来られて、浴槽が混雑したところで露天風呂を後にしました。

 次はサウナもと思いましたが、狭いサウナはかなりの混雑でしたので利用しませんでした。
 地下水を使用しているという水風呂も使用せず、内湯にもう一度浸かって浴室を後にしました。

 さて、温泉の分析書が、2025年8月13日付の最新のものになていました。源泉名は、長崎温泉。泉質は、アルカリ性単純硫黄冷鉱泉(低帳性弱アルカリ性冷鉱泉)、源泉温度 20.8℃、湧出量 50L/分(動力揚湯)、PH 8.6 です。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、H -、Li -、Na 216.2、K 1.4、NH4 1.2、Mg 2.7、Ca 37.1、Sr 0.5、Ba 0.4、Al -、Mn -、Fe(II) 0.2、Fe(III) -、Cu -、Zn -、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.4、Cl 377.6、Br 1.3、I 0.3、NO3 -、NO2 -、OH -、HS 2.4、HSO4 -、S2O3 1.8、SO4 13.0、HPO4 -、AsO2 -、HCO3 75.8、CO3 3.6、HSiO2 -、BO2 -、メタケイ酸 21.5、メタホウ酸 4.6、遊離CO2 0.5、遊離H2S 0.1 など、ガス性除く成分総計は763mg/kgです。

 入浴に適した温度に保つために加温、浴槽内の温度を一定に保つため及び浴槽内の不純物を取り除くため濾過循環装置を利用、常に一定量の源泉をかけ流し(オーバーフロー)し、衛生管理のため塩素系薬剤を使用、自動滅菌装置により常時消毒、営業時間終了後に毎日換水、営業時間終了後に浴槽、浴室の清掃を実施、配管清掃、濾過器消毒は休館日に実施、レジオネラ菌、大腸菌等の検査は年2回自主検査との掲示があります。

 冷鉱泉ですので、加熱循環は避けれません。塩素消毒されて循環された湯は、カルキ臭が漂い、硫黄泉の味わいは乏しいと言わざるを得ません。それでも内湯の注湯口からは新源泉が投入されており、その源泉は素晴らしいものです。
 単純硫黄冷鉱泉としての源泉の本来の味わいを楽しむなら、足湯の「酒呑童子の湯」が最高なのですが、足湯に全身入浴することができないのが残念です。
 
 前回のブログにも書きましたが、平成17年6月28日付けの分析表では、ガス性除く成分総計が1520mg/kgのナトリウム-塩化物冷鉱泉でしたが、平成27年6月9日付の分析書では、硫黄分が増えて硫黄泉の基準を満たしたものの、ガス性除く成分総計が807.6mg/kgと1000mg/kgの塩類泉の基準を下回り、単純硫黄冷鉱泉となりました。
 そして10年後の今回の分析書では、成分的にはほとんど変わりがないですが、PHが8.6となり、基準の8.5を超えたため、泉質がアルカリ性単純硫黄冷鉱泉と、頭に「アルカリ性」が付けられました。ただし、残念ながらアルカリ性の湯の特徴のツルスベ感は感じられません。

 ともあれ、加熱・循環・塩素消毒された湯は、硫黄泉の味わいが失われていますが、冷鉱泉の場合は、入浴のためには加温が必要であり、循環ろ過装置の使用や塩素消毒が必須になります。難しい問題ですね。

 湯上り後には、いつものように隣にある国上地区農村環境改善センターに移動して、2階の広間で休息しました。

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 ここは穴場であり、利用客も多くなく、ゆったりと過ごすことができます。

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 しばし休息して、退館し、現実が待つ自宅へと車を進めました。

 ここは県内でも最も人気のある道の駅のひとつである「道の駅 国上」のすぐ裏にあり、利用するのに便利です。
 館内は狭いですが、食事処があって食事も可能です。隣に棟続きである国上地区農村環境改善センターの休憩所を利用できますので、ゆったりと過ごせます。
 そして何より、500円(夜間割引300円)という低料金で利用できるのが魅力であり、気軽に立ち寄り湯できます。
 道の駅には足湯の「酒呑童子の湯」があり、生の源泉を楽しむことができます。こちらも合わせてご利用になることをお勧めします。
 できるなら、この足湯に全身浸かりたいと思いますが、無理な話であり、循環湯の「てまりの湯」で我慢しましょう。