真冬にぬる湯の露天風呂 「さくらの湯」

 弥彦村の日帰り温泉「さくらの湯」は、充実した設備のほか、良質な源泉の掛け流しを楽しめるのが魅力であり、県内屈指の人気施設となっています。
 私も2006年10月のオープン以来のファンであり、その変遷を見守ってきましたが、先日の夜に、昨年11月以来2か月ぶりに利用しました。

 某所での仕事を終えた帰り道、ひと風呂浴びて帰ることにしました。イルミネーション鮮やかな「てまりの湯」にも気持ちが動きましたが、今回は「さくらの湯」にしました。

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 大雪の合間で、雪ではなく、冷たい雨が降るなかに玄関へと小走りしました。

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 イルミネーションで飾られたきれいな通路を通って玄関へ。

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 玄関を入り、右手にある下足箱に靴を入れ、鍵とともに受付します。

 料金は後払いですが、タオルセット・館内着付きで、大人1150円、子供650円ですが、平日の17時以降は夜間割引で、タオルセット付で、大人700円、子供450円です。岩盤浴利用の場合は、別に500円(専用着・専用マット付)が必要です。
 夜間割引のタオルセット付きで700円というのは、値上げラッシュのご時世にあっては、信じられない安さだと思います。

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 ロッカーキーとタオルセットを受け取って浴室へ向かいました。

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 脱衣場に入りますと、拡張されて入り組んだ造りになっていて、木製ロッカーが多数並んでいます。洗面台・化粧台には、無料のドライヤー、整髪料、ヘアブラシ等が揃っており、紙コップ式の飲水機もあります。

 浴室に入りますと、掛け湯、ドライサウナ、水風呂、腰掛け湯等が並び、奥の窓際に長方形の浴槽があり、窓越しに露天風呂が一望されます。
 浴槽は大浴槽と小浴槽に仕切られており、大浴槽は高温、小浴槽は低温に設定されています。
 右側には洗い場があります。仕切り付きが10か所、仕切りなしが3か所+4か所の計17か所で、PHOENIX社製の豆乳ボディソーブ、シャンプー、コンディショナーがあります。

 洗身して大浴槽に浸かりました。浴槽の中央に、左右に伸びる金属バーが設置されています。注湯口から加熱された源泉が大量に注がれており、浴槽の縁から十分量掛け流されています。
 湯温はいつもより高めで42~43℃程度。熱目で良く温まりますが、注湯口前で加熱源泉を身体に受けますとさらに温まります。
 その時々で湯色が異なりますが、この日は薄く緑濁し、硫黄泉ながらも硫化水素臭というよりは稲藁のような匂いを感じました。鮮度は高く、薄い塩味と硫黄味がする柔らかな素晴らしい湯です。

 隣の小浴槽は、濁りはなく、湯温は40℃程度でしょうか。ほどほどの温度で、ゆったりと浸かることができます。

 さて、今回の話題です。内湯を楽しんで、露天風呂に行ったのですが、露天風呂への出口に、35~37℃の「ぬる湯」に設定していますとの掲示がありました。
 何のことかと思ったのですが、露天風呂の多彩な浴槽のすべてが「ぬる湯」の言葉通りにぬるい湯でした。
 一部の浴槽をぬる湯の設定にしたということならわかりますが、全部がぬる湯でした。真冬の寒い最中に、この設定はどうしたのでしょうか。  
 各浴槽で微妙な温度差はありましたが、どの浴槽もぬるく、特に3つある小さな壺湯は、外気で冷えやすいためか、かなりのぬるさでした。
 浴槽内の加熱源泉注入場所で温まりながら、降り積もった雪を眺めました。雪だるまのモニュメントが飾られていて、雪見風呂を演出していました。
 このぬる湯は、サウナ後のクールダウンにはちょうど良く、寒風に吹かれながら、じっくり湯に浸かるのも良いかもしれません。
 でも、全部をぬる湯にするのではなく、私が大好きな軒下のかけ流し浴槽くらいは熱目の設定にしてくれても良いのにと、心の中で嘆きました。
 厳寒期ですので、広い露天風呂の浴槽を適温に保つには燃料費がかかるため、開き直って「ぬる湯」として売り出したということなのではないかと勘ぐっております。

 今回は、こんな露天風呂の状況もありましたので、混雑時は避けていたサウナも利用しました。隙間を見つけて入り込み、たっぷりと汗を流しました。サウナ後の水風呂の代わりに、露天風呂のぬる湯は気持ち良かったです。

 平成5年7月31日付の分析書によりますと、源泉名は、やひこ桜井郷。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)。源泉温度 44.5℃、湧出量 394L/分(動力揚湯)、PH 8.2。
 主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 812.6、K 13.2、NH4 0.6、Mg 3.3、Ca 226.0、Sr 5.9、Ba 1.5、Al 0.0、Mn 0.0、Fe(II) 0.0、Fe(III) 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 2.2、Cl 1599、Br 6.0、I 0.4、OH 0.0、HS 6.5、S2O3 0.0、HSO4 0.0、SO4 80.5、NO2 0.0、NO3 0.0、HPO4 3.0、HCO3 43.4、CO3 3.0、メタケイ酸 33.8、メタホウ酸 17.6、メタ亜ヒ酸 0.0、遊離CO2 0.6、遊離H2S 0.4 など、ガス性除く成分総計は2858mg/kgです。
 加水なし、入浴に適した温度を保つため一部加温、衛生管理のため一部循環、衛生管理のため塩素系薬剤を使用とのことです。

 毎回書いていますが、経年変化で源泉が薄くなっていく温泉が多い中にあって、この源泉は検査のたびに濃くなっているのは驚異的です。
 開業当初のガス性除く成分総計が469.4mg/kgの単純硫黄泉が、今やガス性除く成分総計が2858mg/kgの含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉になっています。
 この良質な硫黄泉が、内湯も露天風呂も、掛け流しで楽しめるというのは最高です。岩盤浴もあるのですが、この素晴らしい温泉を楽しみますと、岩盤浴の必要性は感じません。

 入浴後は、大広間にある給茶機で喉を潤しましたが、新しいものになっていました。

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 これまでは緑茶でしたが、今度はほうじ茶になっていました。このお茶を美味しくいただきながら、空いていた広間でひと休みしました。

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 右隣にある足湯を覗いてみましたが、この寒さの中ですから、利用者は誰もいませんでした。

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 見に行くのも私くらいのようでした。

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 その後は安楽椅子が並ぶ休憩所でこの原稿を書きながら休息しました。

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 いつしか夜も更けましたので退館し、ところどころに圧雪が残り、ガタガタした道路進んで家へと向かいました。

 以上、今回は露天風呂が「ぬる湯」になっていたという話題でした。飽きずに読んでいただいてありがとうございました。